編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Sorli C, Harashima SI, Tsoukas GM, Unger J, Karsbøl JD, Hansen T, Bain SC. Efficacy and safety of once-weekly semaglutide monotherapy versus placebo in patients with type 2 diabetes (SUSTAIN 1): a double-blind, randomised, placebo-controlled, parallel-group, multinational, multicentre phase 3a trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017; 5: 251-260. [PubMed]

この第III相試験の結果は,予測どおりである。肥満かつ薬物治療歴のない2型糖尿病患者において,主にmetforminとの併用により,体重減少とHbA1cの低下が認められた。その作用機序の解明が待たれよう。例えば,食欲抑制による体重減少が効果を発揮したのか,体重減少とHbA1cの低下が相関するのか,この現象は効果を発揮し続けるのか,HbA1cが横ばいになればさらにどのような薬剤の追加が効果的なのか,などである。【河盛隆造

●目的 食事療法と運動療法で血糖コントロール不良の2型糖尿病患者において,新規GLP-1受容体作動薬semaglutideの週1回皮下投与による単剤療法の有効性,安全性,忍容性を評価した。
一次エンドポイントはベースラインからのHbA1c値の変化。
二次エンドポイントはベースラインからの体重の変化,HbA1c<7.0%達成率,体重減少≧5%達成率。
●デザイン 無作為,二重盲検,パラレル,プラセボ対照,多施設(8ヵ国,72施設),第III相,modified intention-to-treat解析。
●試験期間 登録期間は2014年2月3日~8月21日,追跡期間は35週。
●対象患者 387例:≧18歳の2型糖尿病患者。平均年齢53.7歳,男性54%,糖尿病罹病期間4.18年,BMI 32.93kg/m2
登録基準:30日間以上の食事・運動療法,HbA1c 7.0~10.0%。
除外基準:スクリーニング前≧90日の血糖降下薬の使用(インスリン≦7日投与を除く),慢性・急性特発性膵炎の既往,甲状腺髄様がん・多発性内分泌腫瘍症2型の既往・家族歴,eGFR<30mL/分/1.73m2,カルシトニン≧50pg/mL,NYHA心機能分類IV度の心不全,ランダム化前90日間の急性冠・脳血管イベントなど。
●方法 semaglutide 0.5mg群(128例),1.0mg群(130例)とそれぞれのプラセボ群(計129例)に2:2:1:1に割付け,週1回30週間皮下投与後,5週間追跡した。試験薬は自己投与とし,毎週同じ曜日(時刻,食事との時間間隔は指定せず),同じ部位(大腿,腹部,上腕)への投与を奨励。semaglutide 0.5mg群では0.25mgを4週間投与後に維持量の0.5mgとし,1.0mg群では0.25mgを4週間,0.5mgを4週間投与後に維持量の1.0mgとした。容認できない低血糖を起こした患者にはmetformin(第一選択)または他の薬剤(GLP-1受容体作動薬とDPP-4阻害薬を除く)を救済薬として追加。
プラセボ2群を統合して解析。HbA1c,体重,その他の連続変数の変化を反復測定混合モデル(MMRM)法で解析した。
●結果 早期投与中止例は0.5mg群17例(13%),1.0mg群16例(12%),プラセボ群14例(11%)で,主な理由は消化器系の有害事象であった。
HbA1c値のベースライン(8.05%)からの変化は,semaglutide 0.5mg群-1.45%(プラセボ群[-0.02%]との推定群間差:-1.43%[95%CI -1.71 to -1.15],p<0.0001),1.0mg群-1.55%(-1.53%[-1.81 to -1.25],p<0.0001)であった。HbA1c<7.0%達成率は,プラセボ群の25%に対し,semaglutide 0.5mg群74%(オッズ比16.92[95%CI 8.44 to 33.89],p<0.0001),10mg群72%(15.70[8.00 to 30.83],p<0.0001)であった。
体重のベースライン(91.93kg)からの変化は,semaglutide 0.5mg群-3.73kg(推定群間差 vsプラセボ群[-0.98kg]:-2.75kg[-3.92 to-1.58],p<0.0001),1.0mg群-4.53kg(-3.56kg[–4.74 to -2.38],p<0.0001),減量≧5%達成はそれぞれ37%,45%,7%であった。
死亡例はなく,有害事象の多くは軽度~中等度であり,もっとも多かったのは悪心(20%,24%,8%),下痢(13%,11%,2%)で,重症低血糖は発生しなかった。
●結論 薬物治療歴のない2型糖尿病患者において,semaglutide単剤療法によりHbA1cと体重はプラセボにくらべ有意に改善した。semaglutideの安全性は先行のGLP-1受容体作動薬と同様であった。