編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lu CH, Min KW, Chuang LM, Kokubo S, Yoshida S, Cha BS. Efficacy, safety, and tolerability of ipragliflozin in Asian patients with type 2 diabetes mellitus and inadequate glycemic control with metformin: Results of a phase 3 randomized, placebo-controlled, double-blind, multicenter trial. J Diabetes Investig. 2016; 7: 366-73. [PubMed]

SGLT2阻害薬ipragliflozinはmetforminとの併用において低血糖を来すことなく血糖コントロールを改善した。本試験は韓国および台湾で行われたが,先行する日本における試験成績を再確認するもので,2型糖尿病の病態が似ている東アジア人におけるipragliflozinの有効性と安全性を示したといえる。
本試験において低血糖がなかったこと,また,血圧降下作用が認められたことは注目すべき点である。SGLT2阻害薬の心血管イベント抑制効果については,EMPA-REG outcome試験に続いてCANVASおよびCANVAS-R試験が報告されている。【景山茂】

●目的 アジア人2型糖尿病患者において,ipragliflozinをmetforminと併用した場合の有効性と安全性を検証した。
有効性の一次エンドポイントはHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,第III相,プラセボ対照,多施設(韓国の18施設,台湾の12施設),有効性はfull analysis set解析,安全性はsafety analysis set解析,last observation carried forward法。
●試験期間 登録期間は2011年11月~2013年1月,治療期間は24週,追跡期間は4週。
●対象患者 171例:韓国/台湾の2型糖尿病患者。
採用基準:20歳以上,糖尿病罹病期間≧12週,安定した食事/運動療法レジメン≧8週,HbA1c 7.0~10.0%,BMI 20.0~45.0 kg/m2。metformin使用例は,安定用量(≧1,500 mg/日)を8週以上投与している場合のみ可。
●方法 2週間のプラセボrun-in後(単盲検),対象患者を施設およびHbA1c値(<8.0%,≧8.0%)で層別化後,ipragliflozin群(50mg,87例),プラセボ群(83例)にランダム化。
試験期間中は,試験薬およびmetformin(同用量継続の場合)以外の糖尿病治療薬の使用を禁止。コルチコステロイド,免疫抑制剤,ループ利尿薬の継続的な全身投与は禁止(局所/一時的な使用は可),食事/運動療法の変更も禁止とした。
●結果 ベースラインから24週後までのHbA1cの平均変化は,ipragliflozin群-0.94%,プラセボ群-0.47%と,有意な群間差を認めた(群間差-0.46%,95%信頼区間-0.66 to -0.27,p<0.001)。空腹時血糖値(-24.1 mg/dL vs. -5.7 mg/dL,群間差-14.1 mg/dL,95%信頼区間-21.1 to -7.2,p<0.001),体重(-2.93 kg vs. -1.70 kg,群間差-1.24 kg,-1.92 to -0.56,p<0.001)ともに,ipragliflozin群でプラセボ群にくらべ,有意に大きく減少した(p<0.001)。
治療により発現した有害事象でもっとも多かったのは上気道感染症(9.2% vs. 12.0%),尿路感染症(6.9% vs. 2.4%)であった。
●結論 アジア人2型糖尿病患者において,ipragliflozinとmetforminの併用は有効かつ忍容性良好であることが示された。