編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Seino Y, Kaku K, Inagaki N, Haneda M, Sasaki T, Fukatsu A, Ubukata M, Sakai S, Samukawa Y. Fifty-two-week long-term clinical study of luseogliflozin as monotherapy in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus inadequately controlled with diet and exercise. Endocr J. 2015; 62: 593-603. [PubMed]

299例の食事および運動療法のみでHbA1c 6.9~10.5%以内の日本人2型糖尿病患者でのluseogliflozinの単独療法の有効性と忍容性を示した52週の長期投与試験の結果である。低血糖を2.3%に認めたが,重篤な低血糖はなかった。懸念された脱水,尿路感染症,生殖器感染症の発生率も極めて低かった。層別解析では,luseogliflozinの血糖降下作用は開始時のHbA1cが高いほど強く,65歳以上の高齢者と65歳未満の中・壮年者とでは差がなかった。eGFRが30~60 ml/min/1.73m2の群では,60~90mL/分/1.73m2の群および90 ml/分/1.73m2の群に比べて有意に血糖降下作用が弱かった(-0.29% vs. -0.50%, -0.56%)。BMI≧25の肥満者か<25の非肥満者ではHbA1cの低下度には差がなかったが,HOMA-βが<40%の症例ではHbA1cの低下度が小さかった。今後,わが国でも,2型糖尿病患者の血糖コントロールにおいて,SGLT2阻害薬が有効な患者層で適切に使われることが望まれる。【片山茂裕

●目的 食事および運動療法でコントロール不良の日本人2型糖尿病患者において,luseogliflozin単独療法の長期安全性と有効性を検討した。
安全性の評価項目は有害事象(AE)。有効性の評価項目はベースラインからのHbA1c,空腹時血糖値(FPG),体重の変化。
●デザイン 一般試験(uncontrolled trial),オープンラベル,多施設(日本50施設)。
●試験期間 観察期間は4週,治療期間は52週。試験期間は2011年5月~2012年10月。
●対象患者 299例:食事および運動療法でHbA1c 6.9~10.5%かつ観察期間のHbA1c変化が1.0%以内の日本人2型糖尿病患者。
除外基準:2型糖尿病以外の糖尿病,血糖値に影響すると思われる糖尿病以外の内分泌疾患,8週以内に糖尿病治療を開始した者,腎切除または腎移植の既往,治療を要する腎疾患,観察期間の推算糸球体濾過量<45mL/分/1.73m2,尿路または生殖器感染症,明らかな排尿障害,ALTまたはAST>正常値の2.5倍,血圧>170/100mmHg,観察期間中の降圧薬変更,糖尿病細小血管障害,重度心疾患。
●方法 luseogliflozin 2.5mgを1日1回,朝食前に経口投与。16週後と20週後にHbA1c≧7.4%の場合は,24週後に5mgに増量。
インスリン製剤や糖尿病治療薬の使用は禁止とした。
●結果 52週の試験完遂は279例であった。
大半のAEは軽度で,AE発生率は75.3%,薬物有害反応発生率は16.7%であった。7例(2.3%)で低血糖を認めたが,重大な低血糖エピソードは発生しなかった。頻尿(3.3%),脱水(3.0%),尿路感染症(1.0%),生殖器感染症(1.0%)の発生率は許容レベルであった。
52週後のHbA1cは0.50%低下,FPGは16.3mg/dL低下,体重は2.68kg減少した(すべてp<0.001)。
5mgへの増量を行った89例においては,増量後にHbA1cが0.25%低下した。
●結論 日本人2型糖尿病患者において,52週のluseogliflozin単独療法の忍容性は良好で,血糖低下作用と体重減少作用が持続した。