編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ahrén B, Masmiquel L, Kumar H, Sargin M, Karsbøl JD, Jacobsen SH, Chow F. Efficacy and safety of once-weekly semaglutide versus once-daily sitagliptin as an add-on to metformin, thiazolidinediones, or both, in patients with type 2 diabetes (SUSTAIN 2): a 56-week, double-blind, phase 3a, randomised trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017; 5: 341-354. [PubMed]

GLP-1受容体作動薬semaglutideはDPP-4阻害薬sitagliptineに比較してHbA1cの低下および体重減少により大きな効果を示した。DPP-4阻害薬は経口薬で患者の負担は小さいが,GLP-1受容体作動薬は注射薬のため患者の負担や抵抗感が大きかった。GLP-1受容体作動薬semaglutideの本製剤は週1回投与のため患者の負担が軽減されている。
糖尿病治療薬については,米国FDAのガイダンスが出されて以来,心血管イベントについての検討が行われている。GLP-1受容体作動薬のliraglutideについてはLEADER試験により心血管イベント抑制効果が示されたが,本薬についてもSUSTAIN 6試験により,心血管病に対してハイリスクの2型糖尿病患者におけるプラセボに対する非劣性と優越性が示されている。【景山茂】

●目的 metformin,チアゾリジン薬または両剤でコントロール不良の2型糖尿病患者において,新規GLP-1受容体作動薬semaglutideとDPP-4阻害薬sitagliptinの有効性と安全性を比較した。
主要評価項目はHbA1cの変化,副次評価項目は体重の変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,ダブルダミー,パラレル,多施設(欧州,アルゼンチン,香港,インド,日本,メキシコ,ロシア,南アフリカ,タイ,128施設),第3a相。ITT解析。
●試験期間 登録期間は2013年12月2日~2014年8月5日。試験期間は56週。
●対象患者 1,225例:metformin,チアゾリジン薬または両剤でコントロール不良の2型糖尿病患者。
登録基準:≧18歳(日本では≧20歳),安定用量のmetformin(≧1500mg),pioglitazone(≧30mg),rosiglitazone(≧4mg)で90日間以上のコントロール不良(HbA1c 7.0~10.5%)。
●方法 対象患者をsemaglutide 0.5mg群(409例:semaglutide 0.5mg週1回皮下投与+sitagliptinプラセボ1日1回経口投与),semaglutide 1.0mg群(409例:semaglutide 1.0mg週1回皮下投与+sitagliptinプラセボ1日1回経口投与),sitagliptin 100mg群(407例:sitagliptin 100mg 1日1回経口投与+semaglutide 0.5mgまたは1.0mgのプラセボ、週1回皮下投与)に2:2:1:1の比でランダム化。
反復測定混合モデルを用いて,血糖,体重,血圧のアウトカムを解析し,ロジスティック回帰分析でHbA1cおよび体重の変化を解析した。
2つのsitagliptin群は統合して解析した。
●結果 ベースラインの平均HbA1cは8.1±0.93%で,56週後のHbA1c低下は,semaglutide 0.5mg群1.3%,semaglutide 1.0mg群1.6%,sitagliptin群0.5%であった(sitagliptin群に対する群間差はsemaglutide 0.5mg群-0.77%,1.0mg群-1.06%,いずれも非劣性・優越性ともにp<0.0001)。
ベースラインの体重は89.5±20.3kgで,56週後の体重減少は,semaglutide 0.5mg群4.3kg,semaglutide 1.0mg群6.1kg,sitagliptin群1.9kgであった(sitagliptin群に対する群間差はsemaglutide 0.5mg群-2.35kg,1.0mg群-4.20kg,いずれも優越性のp<0.0001)。
有害事象による投与中止は,semaglutide 0.5mg群33例(8%),semaglutide 1.0mg群39例(10%),sitagliptin群12例(3%)で,semaglutideの頻度の高い有害事象は,悪心(両群ともに18%),下痢(両群ともに13%)であった。
血糖で確認された低血糖の発生は,semaglutide 0.5mg群7例(2%),semaglutide 1.0mg群2例(<1%),sitagliptin群5例(1%)。
致死的イベントは6例であったが(semaglutide 0.5mg群2例,semaglutide 1.0mg群1例,sitagliptin群3例),いずれも試験薬との関連性はないと思われた。
●結論 metformin,チアゾリジン薬または両剤でコントロール不良の2型糖尿病患者において,週1回のsemaglutideはsitagliptinよりも血糖コントロールを改善させ,体重を減少させ,また安全性のプロフィールは他のGLP-1受容体作動薬と同様であった。