編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Tabara Y, Arai H, Hirao Y, Takahashi Y, Setoh K, Kawaguchi T, Kosugi S, Ito Y, Nakayama T, Matsuda F; Nagahama study group. Different inverse association of large high-density lipoprotein subclasses with exacerbation of insulin resistance and incidence of type 2 diabetes: The Nagahama study. Diabetes Res Clin Pract. 2017; 127: 123-131. [PubMed]

HDLのうちHDL2とHDL3がインスリン抵抗性および2型糖尿病発症に全く逆方向の影響を及ぼしていることは極めて印象的であり,HDLのサブクラスの測定がバイオマーカーとして有用である可能性を示唆しているといえる。【綿田裕孝

●目的 一般日本人において,インスリン抵抗性増悪と2型糖尿病発症についてのHDLサブクラスの予後的重要性を検討した。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 登録期間は2008~2010年。追跡期間は5.0年(平均1814±134日)。
●対象患者 8,365例:30~74歳で脂質降下薬を服用していない長浜市の一般市民。
●方法 均質アッセイにより血清HDLコレステロールおよびLDLコレステロールのサブクラスを評価し,HOMA-IRによりインスリン抵抗性を評価した。
変数の群間差は分散分析およびカイ二乗検定で解析し,独立変数は線形回帰モデルを用いて解析した。
●結果 横断的解析において,潜在的共変量を調整後,大型HDL(HDL2)コレステロールはHOMA-IRと逆相関し(β=-0.169,p<0.001),小型HDL(HDL3)コレステロールはHOMA-IRと正相関した(β=0.054,p<0.001)。2型糖尿病発症リスクについても同様の結果であった(HDL2コレステロール:オッズ比0.96,p=0.001,HDL3コレステロール:オッズ比1.04,p=0.181)。
追跡期間5年の縦断的解析において,HDL2コレステロールはインスリン抵抗性の増悪と逆相関し(β=-0.163,p<0.001),HDL-3コレステロールはインスリン抵抗性の増悪と正相関した(β=0.026,p=0.037)。追跡期間中に205例が2型糖尿病を新たに発症し,HDL2コレステロールは2型糖尿病発症リスクと逆相関した(オッズ比0.98,p=0.006)。
●結論 HDLは抗糖尿病作用を有することが推測された。HDL2コレステロールはHDL3コレステロールに比し,糖尿病とインスリン抵抗性についての予後的重要性が大きかった。