編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2017年8月現在,1106報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Gordon J, McEwan P, Evans M, Puelles J, Sinclair A. Managing glycaemia in older people with type 2 diabetes: A retrospective, primary care-based cohort study, with economic assessment of patient outcomes. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 644-653. [PubMed]

高齢者の糖尿病に対する薬物療法に関するエビデンスは必ずしも十分ではないが,本トライアルでは平均72歳の患者を対象としており,metformin+DPP-4阻害薬の有用性が心血管イベントのみならず費用対効果の面からも検討されており,興味深い。【綿田裕孝

●目的 metformin単独療法の増強を要する高齢の2型糖尿病患者において,2次療法の健康アウトカムと経済アウトカムを比較した。
一次アウトカムは全イベント・心筋梗塞(MI)・脳卒中までの期間,主要有害心血管イベント(MACE:MI+脳卒中)までの期間,全イベント率。
●デザイン 後向き,観察的コホート。
●試験期間 登録期間は2008年1月1日~2014年12月31日。追跡期間は平均2.44年(最大7年)。
●対象患者 10484例:metformin単独療法への追加療法または治療変更を要する2型糖尿病患者。
登録基準:≧65歳,2型糖尿病の診断,180日以上の1次metformin治療の実施,1次療法中止後180日以内の2次療法(薬剤追加または変更)の開始。
除外基準:1型糖尿病,metformin以外の血糖降下治療,多嚢胞性卵巣症候群の診断,悪性疾患,2次療法の種類が全体の<1%。
●方法 臨床診療研究データリンク(CPRD)データベースを使用。
一次アウトカムを多変量回帰モデルにて解析し,医療経済効果はCORE Diabetesモデルを用いて評価した。
●結果 対象患者の42%がmetforminにスルホニル尿素(SU)薬を追加し,28%がSU単独療法に変更した。
多変量調整解析において,metformin+DPP-4阻害薬はmetformin+SU薬に比し,MACEリスクが有意に低く(発生率比0.61,95%CI 0.39-0.98),これは主にMIリスクの低下が大きかったことに起因した(発生率比0.52,95%CI 0.27-0.99)。
metformin+DPP-4阻害薬はmetformin+SU薬およびmetformin+チアゾリジン薬よりも質調整生存年(QALY)延長が大きく,費用対効果比が良好であった(QALYあたり<3万ポンド)。
●結論 高齢の2型糖尿病患者において,metformin単独療法へのDPP-4阻害薬の追加は有効で,費用対効果に優れることが示された。