編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Aroda VR, Bain SC, Cariou B, Piletič M, Rose L, Axelsen M, Rowe E, DeVries JH. Efficacy and safety of once-weekly semaglutide versus once-daily insulin glargine as add-on to metformin (with or without sulfonylureas) in insulin-naive patients with type 2 diabetes (SUSTAIN 4): a randomised, open-label, parallel-group, multicentre, multinational, phase 3a trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017; 5: 355-366. [PubMed]

metforminでコントロール不良の2型糖尿病患者を対象に,semaglutideとglargineに無作為に割り付け,有効性,安全性,認容性を比較した試験である。
その結果,semaglutideのほうが,HbA1c改善と体重減少度が大きく,低血糖が少なく,忍容性が良好であったことが示された。
今後,経口薬が十分な効果を発揮しなくなった症例では,注射療法を併用する際には,glargineよりもsemaglutide週1回投与のほうが有用であることを示した本研究の意義は大きい。【西村理明

●目的 metforminでコントロール不良かつインスリン投与歴のない2型糖尿病患者において,semaglutideの有効性,安全性,忍容性をインスリンglargineと比較した。
主要評価項目は30週後のHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,オープンラベル,非劣性,多施設(アルゼンチン,欧州,インド,南アフリカ,米国における196施設),第3a相,修正intention-to-treat解析。
●試験期間 試験期間は2014年8月4日~2015年9月3日。治療期間は30週。
●対象患者 1,082例:≧18歳で90日以上のmetformin±スルホニル尿素(SU)薬治療下でHbA1c 7.0~10.0%かつインスリン投与歴のない2型糖尿病患者。平均年齢56.5歳,男性53%,HbA1c 8.2%,糖尿病罹病期間8.6年,BMI 33.0kg/m2,推算糸球体濾過量98.5 mL/分/1.73m2
●方法 対象患者をsemaglutide 0.5mg群(362例),semaglutide 1.0mg群(360例),インスリンglargine群(360例)に1:1:1にランダム化。
semaglutideは週1回皮下投与,glargineは1日1回皮下投与(開始用量10 IU/日,朝食前自己測定血糖72~99mg/dLとなるまで週1回漸増)した。既存のmetforminとSU薬は継続とした。
HbA1c,体重およびその他の連続エンドポイントは,治療,国,層別(metformin単独またはmetformin+SU薬),ベースライン値を因子として反復測定混合モデルにより解析した。
●結果 治療を早期に中止したのは,semaglutide 0.5mg群49例(14%),1.0mg群55例(15%),glargine群26例(7%)であり,中止の主な理由は有害事象であった。
30週後のHbA1c低下度は,semaglutide 0.5mg群1.21%,1.0mg群1.64%,glargine群0.83%で,glargine群との推定差はsemaglutide 0.5mg群-0.38%(95%CI -0.52 to -0.24),1.0mg群-0.81%(-0.96 to -0.67)であった(いずれもp<0.0001)。
30週後の体重変化は,semaglutide 0.5mg群3.47kg減少,1.0mg群5.17kg減少,glargine群1.15kg増加で,glargine群との推定差はsemaglutide 0.5mg群-4.62kg(-5.27 to -3.96),1.0mg群-6.33kg(-6.99 to -5.67)であった(いずれもp<0.0001)。
重症低血糖または血糖値で確認した低血糖を認めたのは,semaglutide 0.5mg群16例(4%),1.0mg群20例(6%),glargine群38例(11%)で,両semaglutide群での発生率はglargine群より有意に低かった(それぞれp=0.0021,p=0.0202)。
死亡は,semaglutide 0.5mg群4例(1%;心血管死3例,膵がん1例),semaglutide 1.0mg群0例,glargine群2例(<1%;いずれも心血管死)であった。
semaglutideで頻度の高い有害事象は悪心(0.5mg群77例[21%],1.0mg群80例[22%])で,glargineで頻度の高い有害事象は鼻咽頭炎(44例[12%])であった。
●結論 semaglutideはインスリンglargineに比し,HbA1c低下度と体重減少度が大きく,低血糖エピソードが少なく,忍容性は良好で,安全性に関するプロファイルは他のGLP-1受容体作動薬と同等であった。