編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Marso SP, Bain SC, Consoli A, Eliaschewitz FG, Jódar E, Leiter LA, Lingvay I, Rosenstock J, Seufert J, Warren ML, et al.; SUSTAIN-6 Investigators: Semaglutide and Cardiovascular Outcomes in Patients with Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2016; 375: 1834-1844. [PubMed]

semaglutideの承認前の試験であり,またsemaglutide投与群で3point-MACE発症などのハザード比95%信頼区間の上限1.8以下という仮説に基づいた試験であるため,liraglutideを検討したLEADER試験などに比べ対象患者数が少ないが,それでもsemaglutide群で3point-MACEが有意に減少することが証明されたことは驚くべきことである。
網膜症の発症増加が懸念されるが,網膜症の評価としてハードエンドポイントのみが用いられていることが結果に関与している可能性もあるため,今後の詳細な検討が必要である。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,GLP-1受容体作動薬semaglutideの心血管に関する安全性を検討した。
主要評価項目は心血管疾患による死亡+非致死性心筋梗塞+非致死性脳卒中。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,パラレル,非劣性,多施設(20ヵ国,230施設)。
●試験期間 登録期間は2013年2月~2013年12月,治療期間は104週,観察期間は中央値2.1年。
●対象患者 2型糖尿病患者3297例:平均64.6歳,男性60.7%,体重92.1kg,糖尿病罹病期間13.9年,HbA1c 8.7%,収縮期血圧135.6mmHg,LDL-コレステロール82.3mg/dL,虚血性心疾患60.5%,心筋梗塞32.5%,心不全23.6%,虚血性脳卒中11.6%,出血性脳卒中3.3%,高血圧92.8%。
採用基準:糖尿病治療薬未治療または2剤以上による治療を受けていない者,HbA1c 7%以上,50歳以上で心血管疾患・心不全(NYHA IIまたはIII)・ステージ3以上の慢性腎不全を有する者,または60歳以上で1つ以上の心血管疾患リスク因子を有する者。
除外基準:30日以内のDPP-4阻害薬による治療,90日以内のGLP-1受容体作動薬・基礎またはプレミックス製剤以外のインスリンによる治療,90日以内の急性冠/脳血管疾患イベント,冠動脈血行再建術の施行予定,長期の透析。
●方法 対象患者を心血管疾患の状況,インスリン治療,推算糸球体濾過量(eGFR)により層別化した後,semaglutide群(1648例),プラセボ群(1649例)に割り付けた。
用量は0.25mgを4週間投与した後,0.5mgを4週間投与し,維持用量に達するまで増量した。
●結果 全3297例のうち,2735例(83%)にステージ3以上の慢性腎疾患を含む心血管疾患が認められた。
主要評価項目の発症率は,semaglutide群6.6%,プラセボ群8.9%であった(ハザード比[HR]0.74,95%CI 0.58-0.95,非劣性のp<0.001,優越性のp=0.002)。非致死性心筋梗塞の発症率は,semaglutide群2.9%,プラセボ群3.9%であり(HR 0.74,0.51-1.08,p=0.12),非致死性脳卒中の発症率はそれぞれ1.6%,2.7%であった(HR 0.61,0.38-0.99,p=0.04)。心血管疾患による死亡率は両群で同等であった。腎症の新規発症または増悪の割合はsemaglutide群のほうが少なかったが,硝子体出血,失明,硝子体内注射または光凝固治療を要する網膜症合併症の割合は高かった(HR 1.76,1.11-2.78,p=0.02)。胃腸障害を中心とした有害事象による治療中止はsemaglutide群のほうが多かったが,重篤な有害事象はプラセボ群よりも少なかった。
●結論 心血管リスクの高い2型糖尿病患者において,心血管疾患による死亡,非致死性心筋梗塞または非致死性脳卒中の割合はsemaglutideにより低下し,同剤のプラセボに対する非劣性が示された。