編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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DeFronzo RA, Tripathy D, Schwenke DC, Banerji M, Bray GA, Buchanan TA, Clement SC, Henry RR, Hodis HN, Kitabchi AE, et al.; ACT NOW Study : Pioglitazone for diabetes prevention in impaired glucose tolerance. N Engl J Med. 2011; 364: 1104-15. [PubMed]

糖尿病のハイリスク者である耐糖能異常を対象に,pioglitazoneとプラセボを無作為に投与し,2型糖尿病の発症率,耐糖能正常への回復率を比較した研究である。pioglitazone投与群では2型糖尿病の発症率,耐糖能正常への回復率,空腹時血糖値の低下率,食後2時間値の低下率すべてが有意に改善していた。
しかしpioglitazone群では,体重がより増加し,浮腫の頻度が高かった。この問題を解決するためには,今後,pioglitazoneとSGLT2阻害薬の併用の検証がなされ,この組み合わせが,体重増加や浮腫にどのような併用効果をもたらすのか,検討が必要である。【西村理明

●目的 耐糖能異常患者において,2型糖尿病発症リスクと心血管リスク因子に対するpioglitazoneの効果を検討した。一次アウトカムは糖尿病発症率。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照。
●試験期間 登録期間は2004年1月~2006年3月。追跡期間は2.4年(中央値)。
●対象患者 602例:≧18歳で耐糖能異常(2時間血糖140~199mg/dL)を有し,BMI>25kg/m2の患者。平均年齢52.3歳,女性58%,BMI34.5kg/m2
登録基準:空腹時血糖95~125mg/dL,1つ以上の糖尿病リスク因子。
●方法 対象患者をpioglitazone群(303例),プラセボ群(299例)にランダム化し,糖尿病発症率を比較した。Cox比例ハザードモデルにより,一次アウトカムに対するpioglitazoneの効果を評価した。
●結果 2型糖尿病の年間発症率は,pioglitazone群2.1%,プラセボ群7.6%であった(ハザード比0.28,95%CI 0.16-0.49,p<0.001)。
試験完遂例における耐糖能正常への回復率は,pioglitazone群48%,プラセボ群28%であった(p<0.001)。
pioglitazone群はプラセボ群に比し,空腹時血糖の低下度(-11.7 vs. -8.0mg/dL,p<0.001),食後2時間値の低下度(-30.5 vs. -15.6mg/dL,p<0.001),HbA1cの低下度(-0.04 vs. +0.20%,p<0.001),拡張期血圧の低下度(-2.0 vs. 0.0mHg,p=0.03)が大きく,頸動脈内膜中膜壁肥厚の増大が遅延した(群間差31.5%,p=0.047)。その一方,pioglitazone群はプラセボ群よりもHDLコレステロールの上昇度が大きく(7.35 vs 4.5mg/dL,p=0.008),体重増加度が大きく(3.9 vs 0.77kg,p<0.001),浮腫の頻度が高かった(12.9 vs 6.4%,p=0.007)。
●結論 耐糖能異常患者において,pioglitazoneはプラセボに比べて2型糖尿病への進展リスクを72%低下させたが,体重と浮腫が増加した。