編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Mita T, Katakami N, Yoshii H, Onuma T, Kaneto H, Osonoi T, Shiraiwa T, Kosugi K, Umayahara Y, Yamamoto T, Yokoyama H, Kuribayashi N, Jinnouchi H, Gosho M, Shimomura I, Watada H; Collaborators on the Study of Preventive Effects of Alogliptin on Diabetic Atherosclerosis (SPEAD-A) Trial. Diabetes Care. 2016; 39: 139-48. [PubMed]

SPEAD-Aと名付けられた本試験では,CVD既往のない2型糖尿病患者においてalogliptinは頸動脈IMTの進展を抑制した。DPP-4阻害薬の抗動脈硬化作用を示した重要な臨床試験といえる。
alogliptin群では対照群に比べてHbA1cが0.3%低く推移したが,頸動脈IMTの進展の抑制度はこの程度の血糖コントロールの差のみでは説明できず,DPP-4阻害薬の持つ抗炎症作用などの他の作用が重要な役割を果たしているものと考えられる。ただ,今回の試験では,高感度CRPやinterleukin-6などの炎症マーカー,ICAM-1,VCAM-1などの接着因子に有意な変動は認められておらず,IMT改善の機序についてはさらなる検討が必要であろう。【片山茂裕

●目的 心血管疾患(CVD)既往のない2型糖尿病患者において,頸動脈内膜中膜壁肥厚(IMT)に対するalogliptinの効果を検討した。
主要評価項目は頸動脈の平均IMTおよび最大IMTの変化。
●デザイン PROBE(prospective,randomized,open-label,blinded-endpoint),多施設(日本11施設)。
●試験期間 登録期間は2011年3月~2013年6月,治療期間は104週。
●対象患者 341例:CVD既往のない2型糖尿病患者。平均年齢64.4(alogliptin群)/64.8歳(対照群),男性63/61%,高血圧56/57%,脂質異常症53/58%,糖尿病罹病期間9/8.2年。
登録基準:3ヵ月以上の食事/運動療法やDPP-4阻害薬以外の薬物治療で目標血糖値が達成できない者,HbA1c<9.4%,≧30歳。
除外基準:1型/二次性糖尿病,手術前後や重度外傷による重度感染症,心筋梗塞・狭心症・脳卒中・脳梗塞,中等度~重度腎機能障害,重度肝機能障害,中等度~重度心不全,インクレチン製剤による治療を受けている者,インスリンによる治療を受けている者,インクレチン製剤の併用が禁忌の薬剤による治療を受けている者,妊娠・授乳。
●方法 対象患者をalogliptin群(172例),対照群(169例)にランダム化し,HbA1c<7%を目標値として治療を行い,治療群・時間(週)・治療群と時間の交互作用およびベースラインのIMTを固定効果として反復測定混合効果モデルを用いて解析した。
対照群では投与中の薬剤を増量またはDPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬・インスリン製剤以外の経口糖尿病治療薬を追加した。alogliptin群ではalogliptin 25mgを1日1回投与し,DPP-4阻害薬・GLP-1受容体作動薬・インスリン製剤以外の糖尿病治療薬の追加も可とした。脂質降下薬および降圧薬は継続可とした。
●結果 alogliptin群は対照群に比し,HbA1c低下度が大きかったが(-0.3±0.7 vs. -0.1±0.8%,p=0.004),低血糖の増加は認めなかった。
alogliptin群は対照群に比し,平均IMT変化度(-0.026 vs. 0.005mm,p=0.022),右最大IMT変化度(-0.045 vs. 0.011mm,p=0.025),左最大IMT変化度(-0.079 vs. -0.015mm,p=0.013)が有意に大きかった。
●結論 CVD既往のない2型糖尿病患者において,alogliptinは頸動脈IMTの進展を抑制した。