編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Beck RW, Riddlesworth TD, Ruedy KJ, Kollman C, Ahmann AJ, Bergenstal RM, Bhargava A, Bode BW, Haller S, Kruger DF, McGill JB, Polonsky W, Price D, Toschi E; DIAMOND Study Group. Effect of initiating use of an insulin pump in adults with type 1 diabetes using multiple daily insulin injections and continuous glucose monitoring (DIAMOND): a multicentre, randomised controlled trial. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017; 5: 700-8. [PubMed]

本研究は,リアルタイムCGM(DEXCOM G4,日本未発売)を使用している成人1型糖尿病患者において,MDIを継続する群と,MDIからCSIIに変更した群に無作為に割り付け,血糖値が70~180mg/dLを推移する時間の変化を比較することを主要な目的として行われている。
その結果,血糖値が目標としている値を推移する時間は,CSIIに変更した群において,有意に増加したものの,低血糖の時間も有意に増加してしまったことが示されている。
しかしながら,本研究で使用されたCSIIはリアルタイムCGMと連動したものではなく,使い捨てのパッチ型CSII(OmniPod,日本未発売,同様の機種をテルモ社が開発し薬事承認を得ている)である。リアルタイムCGMと連動したCSIIを導入した場合には,結果が異なる可能性も高い。これらの点も踏まえ,アジア人における同様の研究が行われることを希望する。【西村理明

●目的 持続血糖モニタリング(CGM)を使用している成人1型糖尿病患者において,インスリン頻回注射(MDI)から持続的皮下インスリン注入(CSII)へ変更した際の血糖コントロール改善効果を検討した。DIAMONDの追加試験。
主要評価項目は,CGMで評価した血糖値が70~180mg/dLを推移した時間。
●デザイン 無作為,多施設(米国,20施設)。
●試験期間 登録期間は2015年4月14日~2016年5月5日。試験期間は28週。
●対象患者 DIAMOND試験でリアルタイムCGM群であった成人1型糖尿病患者75例。平均年齢CSII群46/MDI群45歳,糖尿病罹病期間22/15年,女性43/50%,BMI 29/27kg/m2,1日のうち血糖値70~180mg/dLを推移した時間708/762分,HbA1c 7.6/7.6%,1週間のCGM使用日数6.9/6.9日。
登録基準:≧25歳,MDI歴≧1年,HbA1c 7.5~10.0%。
●方法 DIAMOND試験では1型糖尿病患者をCGM群および血糖自己測定(SMBG)群にランダム化し,QOLを比較。
本検討ではDIAMOND試験のCGM群を対象とし,CSIIへの変更群(37例),MDI継続群(38例)にランダム化した。いずれの群においてもCGMは継続した。
●結果 試験を完遂したのは,CSII群36例(97%),CGM群35例(92%)であった。
1週間の平均CGM使用日数は,CSII群6.7±0.8日,MDI群6.9±0.3日(p=0.86)であり,CSII群におけるCSIIの中止例はなかった。
CGMで評価した血糖値が70~180mg/dLを推移した1日あたりの平均時間は,CSII群791±157分,MDI群741±225分(調整平均差83分,95%CI 17-149,p=0.01)であった。
CSII群はMDI群に比し,CGMで評価した平均血糖および高血糖の改善度が有意に大きかったが,CGMで評価した低血糖が有意に増加した。
28週後の平均HbA1cは,CSII群0.3±0.9%,MDI群0.1±0.4%(p=0.32)低下していた。
重症低血糖の発生はMDI群1例であり,糖尿病性ケトアシドーシスと重症高血糖の発生は,いずれもCSII群で1例ずつ認めた。
●結論 成人1型糖尿病患者において,MDIからCSIIへの変更により血糖コントロールが改善したが,低血糖が増加した。