編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Weisman A, Bai JW, Cardinez M, Kramer CK, Perkins BA. Effect of artificial pancreas systems on glycaemic control in patients with type 1 diabetes: a systematic review and meta-analysis of outpatient randomised controlled trials. Lancet Diabetes Endocrinol. 2017; 5: 501-12. [PubMed]

1型糖尿病患者を対象とした,人工膵臓システムの外来での使用における,有効性と安全性を従来のインスリンポンプ療法と比較した24研究のメタアナリシスである。その結果,従来のポンプ療法よりも人工膵臓システムのほうが,目標とする血糖値を達成する時間が有意に長かった。さらに人工膵臓システムの中でも単剤ホルモンのみを使用するシステムよりも2剤のホルモンを使用するシステムのほうが,目標とする血糖値を達成する時間が有意に長いことが示された。
目標とする血糖値を達成する時間が,人工膵臓システムの究極の目標であるならば,2剤のホルモンを使用する人工膵臓システムが理想的であることが本メタアナリシスで示されたことになる。しかしながら実臨床での使用に関しては,日々のメンテナンスの手間,長期使用に関する安全性などを考慮に入れて,総合的に判断すべきであると個人的には考えている。【西村理明

●目的 1型糖尿病患者を対象に,外来における人工膵臓システムの有効性と安全性を評価し,人工膵臓システムの性能に影響する臨床的および技術的な因子を検討した。
主要評価項目は,血糖値が目標範囲内(3.9~10mmol/L[70.2~180mg/dL]または3.9~8mmol/L[70.2~144mg/dL])を推移した割合の平均差。
●デザイン メタアナリシス。
●試験期間 -
●対象患者 外来の1型糖尿病患者585例。
●方法 1型糖尿病患者において外来で人工膵臓システムを従来のポンプ療法と比較した1946年~2017年1月1日のランダム化試験(RCT)24件を抽出。
従来のポンプ療法は,持続皮下インスリン注入(CSII)単独,CSII+持続血糖モニタリング(CGM),非盲検センサー付きインスリンポンプ(SAP)とした。
●結果 比較された試験は27件で,5件は2剤ホルモン(インスリンとグルカゴン)人工膵臓システムを評価,2件は2剤ホルモンと単剤ホルモン(インスリンのみ)両方の人工膵臓システムを評価,20件は単剤ホルモン人工膵臓システムを評価していた。
血糖値が目標範囲内であった時間の割合は人工膵臓システムのほうが従来のポンプ療法よりも12.59%高く(95%CI 9.02-16.16,p<0.0001),従来のポンプ療法に対する加重平均は58.21%であった(I2=84%)。
2剤ホルモン人工膵臓システムについての比較7件中6件はCSII+CGMとの比較であり,単剤ホルモン人工膵臓システムについての比較22件中21件はSAPとの比較であったが,2剤ホルモン人工膵臓システムは単剤ホルモン人工膵臓システムに比し,血糖値が目標範囲内であった時間の割合の改善度が有意に大きかった(19.52 vs. 11.06%,p=0.006)。
単剤ホルモン人工膵臓システムのRCTは2剤ホルモン人工膵臓システムのRCTよりも不均一性が高かった(I2 79 vs. 66%)。
対象としたRCTの24件中12件ではバイアス評価についての方法や報告が不十分で,割り付け治療に対する患者の盲検がなされているRCTはなく,12件ではアウトカム評価が盲検されておらず,12件では不明であった。
●結論 臨床的および技術的因子には不均一性が存在するが,1型糖尿病患者において,外来で使用した人工膵臓システムは一様に血糖コントロールを改善した。