編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Chen Y, Wu F, Saito E, Lin Y, Song M, Luu HN, Gupta PC, Sawada N, Tamakoshi A, Shu XO, Koh WP, Xiang YB, Tomata Y, Sugiyama K, Park SK, Matsuo K, Nagata C, Sugawara Y, Qiao YL, You SL, Wang R, Shin MH, Pan WH, Pednekar MS, Tsugane S, Cai H, Yuan JM, Gao YT, Tsuji I, Kanemura S, Ito H, Wada K, Ahn YO, Yoo KY, Ahsan H, Chia KS, Boffetta P, Zheng W, Inoue M, Kang D, Potter JD. Association between type 2 diabetes and risk of cancer mortality: a pooled analysis of over 771,000 individuals in the Asia Cohort Consortium. Diabetologia. 2017; 60: 1022-32. [PubMed]

本研究はこれまでよりも多くのコホート研究を統合した前向き追跡研究であり,極めて多数のアジア人を対象としている。その結果,糖尿病を有することはがん死を増加させるというデータが得られた。また本検討では糖尿病患者では発症率が低下するとされてきた前立腺がんによる死亡も増加しており,これまでの多くの研究結果とは異なっている。【綿田裕孝

●目的 東アジアと南アジアにおける2型糖尿病とがん死リスクの関連を検討した。
●デザイン 集団ベースコホート研究19件の統合解析。
●試験期間 追跡期間は平均12.7年。
●対象患者 アジア人771,297例(東アジア人658,611例[中国,台湾,シンガポール,韓国,日本],および南アジア人112,686例[インド,バングラディシュ])。
●方法 ハザード比(HR)を用いて,ベースラインの糖尿病例と非糖尿病例で全がん死リスク,部位別のがん死リスクを比較した。
●結果 追跡期間中のがん死は37,343例(東アジア人36,667例,南アジア人676例)であった。
ベースラインの糖尿病例では,全がん死リスクが有意に上昇した(HR 1.26,95%CI 1.21-1.31)。また結腸直腸がん(HR 1.41,95%CI 1.26-1.57),肝がん(HR 2.05,95%CI 1.77-2.38),胆管がん(HR 1.41,95%CI 1.04-1.92),胆嚢がん(HR 1.33,95%CI 1.10-1.61),膵がん(HR 1.53,95%CI 1.32-1.77),乳がん(HR 1.72,95%CI 1.34-2.19),子宮内膜がん(HR 2.73,95%CI 1.53-4.85),卵巣がん(HR 1.60,95%CI 1.06-2.42),前立腺がん(HR 1.41,95%CI 1.09-1.82),腎がん(HR 1.84,95%CI 1.28-2.64),甲状腺がん(HR 1.99,95%CI 1.03-3.86),リンパ腫(HR 1.39,95%CI 1.04-1.86)のがん死リスクも有意に上昇していた。
糖尿病と白血病,膀胱がん,子宮頸部がん,食道がん,胃がん,肺がんによる死亡リスクとの有意な関連は認められなかった。
●結論 アジア人において,糖尿病は全がん死リスクを26%上昇させた。特定のがん死と糖尿病に関連が認められたことから,がん死を減少させるには糖尿病まん延に対するよりよいコントロール(予防,検出,管理)が必要であることが示唆された。