編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Neal B, Perkovic V, Mahaffey KW, de Zeeuw D, Fulcher G, Erondu N, Shaw W, Law G, Desai M, Matthews DR, et al.; CANVAS Program Collaborative Group: Canagliflozin and Cardiovascular and Renal Events in Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2017; 377: 644-57. [PubMed]

EMPA-REG OUTCOME試験によって,糖尿病患者のうち心血管イベントのハイリスク症例に対するempagliflozinの心血管イベント抑制効果が明らかとなったが,それがSGLT2阻害薬のクラス効果であるのか否かは定かではなかった。本試験の結果,canagliflozinでも同等な結果が示され,心血管イベント抑制効果はSGLT2阻害薬のクラス効果である可能性が強く示唆された。
同時に足切断リスクの増加に関してのメカニズムや,この点もクラス効果であるのか否かに関しては,今後の研究課題となるであろう。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,心血管,腎,安全性のアウトカムに対するcanagliflozinの効果を検討した。
主要評価項目は,心血管死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中。
●デザイン 無作為化試験2件の統合解析。多施設(30ヵ国,667施設)。
●試験期間 2017年2月試験終了。追跡期間は平均188.2週(中央値126.1週)。
●対象患者 心血管リスクの高い2型糖尿病患者10,142例(CANVAS 4,330例,CANVAS-R 5,812例)。平均63.3歳,女性35.8%,平均糖尿病罹病期間13.5年,心血管疾患既往例65.6%。
登録基準:HbA1c≧7.0~≦10.5%,≧30歳または症候性動脈硬化性心血管疾患既往を有する者,もしくは≧50歳かつ2つ以上の心血管疾患リスク因子(糖尿病罹病期間≧10年,1つ以上の降圧薬治療下での収縮期血圧>140mmHg,現在の喫煙,微量アルブミン尿または顕性アルブミン尿,HDL-コレステロール<38.7mg/dL)を有する者,推算糸球体濾過量(eGFR)>30mL/分/1.73m2
●方法 CANVASは,canagliflozin 300mg群,canagliflozin 100mg群,プラセボ群に1:1:1にランダム化。
CANVAS-Rは,canagliflozin群(100mgから開始し,13週目までに300mgまで増量),プラセボ群に1:1にランダム化。
Cox回帰モデルにより,主要評価項目のハザード比および95%信頼区間を算出した
●結果 canagliflozin群はプラセボ群に比し,主要評価項目の発生が有意に少なく(26.9 vs. 31.5例/1000人-年),ハザード比(HR)は0.86(95%CI 0.75-0.97;非劣性のp<0.001,優越性のp=0.02)であった。
canagliflozin群はプラセボ群に比し,アルブミン尿の進展リスクが低く(89.4 vs. 128.7例/1000人-年;HR 0.73,95%CI 0.67-0.79),eGFRの持続的40%低下+腎代替療法の必要性+腎死リスクが低かった(5.5 vs. 9.0例/1000人-年;HR 0.60,95%CI 0.47-0.77)。
canagliflozinによる有害反応は,切断リスク(主に足指または中足骨レベル)が増大したことを除き(6.3 vs. 3.4例/1000人-年;HR 1.97,95%CI 1.41-2.75),これまでの報告と一致していた。
●結論 心血管リスクの高い2型糖尿病患者において,canagliflozinはプラセボに比べて心血管イベントリスクを低下させたが,切断リスクを増大させた。