編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Terauchi Y, Tamura M, Senda M, Gunji R, Kaku K. Efficacy and safety of tofogliflozin in Japanese patients with type 2 diabetes mellitus with inadequate glycaemic control on insulin therapy (J-STEP/INS): Results of a 16-week randomized, double-blind, placebo-controlled multicentre trial. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 1397-407. [PubMed]

日本人の2型糖尿病患者において,インスリン単独療法,もしくは基礎インスリン+DPP-4阻害薬でコントロール不十分な患者に対し,SGLT2阻害薬であるtofogliflozinの効果をプラセボ対照の無作為割り付け試験で検討した報告である。
その結果,HbA1c,空腹時血糖値,食後血糖値,体重,インスリン単位,尿酸値すべてにおいて,実薬群で有意な改善がみられること,低血糖や性器感染症などの副作用の実薬群における増加も許容できる範囲であることが示された。
2018年版の米国糖尿病学会(ADA)/欧州糖尿病学会(EASD)の治療指針では,SGLT2阻害薬の位置づけは,metforminの次というより,metforminと肩を並べるレベルに近いところまで上昇している。
日本人の2型糖尿病患者でインスリン治療を受けながらもコントロール目標に達していない患者において,SGLT2阻害薬の有効性と安全性を検討した本研究の結果を十分に理解し,日常臨床の参考にすべきであろう。【西村理明

●目的 インスリン治療下でコントロール不良の2型糖尿病患者において,tofogliflozin追加の有効性と安全性を評価した。
エンドポイントはベースラインからのHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(日本の30施設)。ITT解析。
●試験期間 登録期間は2014年6月30日~2016年1月27日。治療期間は16週。
●対象患者 インスリン単独療法または基礎インスリン+DPP-4阻害薬併用療法でコントロール不良の2型糖尿病患者211例。平均年齢59.1歳,男性63.8%,HbA1c 8.53%,BMI 25.8kg/m2,空腹時血糖163.4mg/dL,糖尿病罹病期間15.02年。
採用基準:≧20~≦75歳,3ヵ月以上のインスリン治療歴,HbA1c 7.5~10.5%,空腹時血糖≦220mg/dL,BMI 18.5~35.0kg/m2
除外基準:1型糖尿病,不安定な増殖性糖尿病網膜症または急性進行性の糖尿病網膜症または黄斑浮腫,1年以内の代謝性アシドーシスの既往,重症低血糖,薬物またはアルコール乱用の既往,一過性脳虚血発作,6ヵ月以内の入院を要する急性脳血管または心血管イベント,重症またはコントロール不良のうっ血性心不全,3ヵ月以内の減量開始,3ヵ月以内のグルココルチコイドの全身投与,3ヵ月以内の臨床試験用医薬品の使用。
●方法 対象患者をtofogliflozin群(141例)とプラセボ群(70例)に2:1にランダム化。
tofogliflozinの用量は20mg/日とし,両群ともに1日1回,朝食の前または後に投与した。
インスリン用量は,低血糖またはその予防,空腹時血糖≧240mg/dLの場合以外は変更不可とした。
●結果 tofogliflozin群はプラセボ群に比べ,16週後のHbA1cが有意に低下した(-0.59 vs. 0.48%,最小二乗平均差-1.07%,p<0.0001)。また空腹時血糖(それぞれ-27.2 vs. 5.3mg/dL,最小二乗平均差-32.1mg/dL),食後血糖(-65.0 vs. 3.2mg/dL,-67.7mg/dL),体重(-1.34 vs. 0.03kg,-1.40kg)(ここまでp<0.0001),血清尿酸値(-0.18 vs. -0.07mg/dL,-0.29mg/dL,p=0.0062),インスリン用量(-1.3 vs. -0.2U,-1.3U,p=0.0152)もtofogliflozin群で有意な低下が認められた。
低血糖の発生はtofogliflozin群30.7%,プラセボ群21.4%であった。tofogliflozin群の2例に生殖器または尿路の感染症が認められた。
●結論 インスリンまたはインスリン+DPP-4阻害薬でコントロール不良の2型糖尿病患者に対するtofogliflozin追加は,有効な治療選択肢であり,忍容性も良好であった。