編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ceriello A, De Cosmo S, Rossi MC, Lucisano G, Genovese S, Pontremoli R, Fioretto P, Giorda C, Pacilli A, Viazzi F, Russo G, Nicolucci A; AMD-Annals Study Group. Variability in HbA1c, blood pressure, lipid parameters and serum uric acid, and risk of development of chronic kidney disease in type 2 diabetes. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 1570-8. [PubMed]

血糖や血圧の変動性が心血管疾患の発症に大きく関与することが,すでに明らかにされている。
今回の報告では,血糖や血圧に加えて,尿酸や血清脂質の変動性が,アルブミン尿の発症やeGFRの低下にどのような影響を及ぼすかを検討している。HbA1cの変動性はアルブミン尿の発症と関連し,SBP,DBP,HDL-C,LDL-C,血清尿酸の変動性はeGFR低下と関連しており,とくに血清尿酸の変動性との関連性が強力であった(HR=1.79)。また,HbA1cとHDL-Cのそれぞれの変動性を合わせて解析すると,アルブミン尿の発症予測度はHR 1.47と高く,血清尿酸やDBPのeGFRの低下の予測度は,単独でもHRが1.54あるいは1.47と高値であった。
アルブミン尿の発症は臓器障害を表し,eGFRの低下は腎臓の動的な機能を反映し,それぞれ独立した事象といえるのかもしれない。また,われわれの想像以上に,eGFRの低下に高尿酸血症が重大な影響を及ぼしていることが明らかであり,血清UA値にも注意を払っていく必要がある。【片山茂裕

●目的 腎機能正常の2型糖尿病患者において,HbA1c,血圧,脂質パラメータ,血清尿酸(UA)の個人内変動性と,アルブミン尿発症または推算糸球体濾過量(eGFR)低下のリスクの関連および相互作用について検討した。
●デザイン コホート,多施設(イタリア230施設)。
●試験期間 登録期間は2004年1月1日~2011年12月31日。追跡期間は最大5年(アルブミン尿発症については中央値3.4年,eGFR低下については中央値2.6年)。
●対象患者 2型糖尿病患者11,791例。
採用基準:HbA1c,収縮期血圧(SBP),拡張期血圧(DBP),血清UA,総コレステロール(TC),HDLコレステロール(HDL-C),LDLコレステロール(LDL-C),トリグリセリド(TG)が連続した3年間に5回以上評価された者。
●方法 Italian Association of Clinical Diabetologists(Associazione Medici Diabetologi [AMD])データベースのデータを使用した。
Cox回帰分析により,アルブミン尿発症リスク(4,321例)およびeGFR低下(<60mL/分/1.73m2,7,560例)に対する各パラメータ変動性の影響を評価した。
●結果 HbA1c変動性が大きいとアルブミン尿発症リスクが上昇した(第1四分位に対する第4四分位のハザード比[HR]1.33[95%CI 1.09-1.63])。
SBP,DBP,HDL-C,LDL-C,血清UAの変動性はeGFR低下を予測し,とくに血清UA変動性の関連性が強かった(第1四分位に対する第4四分位のHR 1.79[95%CI 1.33-2.41])。
HbA1cとHDL-Cの変動性がいずれも大きい場合にアルブミン尿発症リスクが最大であり(HR 1.47[95%CI 1.17-1.84]),血清UA変動性またはDBP変動性が大きい場合はeGFR低下リスクが最大であった(HRはそれぞれ1.54[95%CI 1.19-1.99],1.47[95%CI 1.11-1.94])。
●結論 複数のパラメータの変動性は,アルブミン尿発症およびeGFR低下に影響し,その程度はさまざまであった。