編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Engel SS, Suryawanshi S, Stevens SR, Josse RG, Cornel JH, Jakuboniene N, Riefflin A, Tankova T, Wainstein J, Peterson ED, Holman RR; TECOS Study Group. Safety of sitagliptin in patients with type 2 diabetes and chronic kidney disease: outcomes from TECOS. Diabetes Obes Metab. 2017; 19: 1587-93. [PubMed]

TECOSでは,sitagliptinの投与群でプラセボ投与群に比べて,eGFRが1.34 mL/分/1.73m2低下したことがすでに報告されている。
今回のCKDの有無別の事後解析では,有害事象や糖尿病合併症の発生頻度を比べている。CKDコホートは非CKDコホートに比し,重篤な有害事象,悪性腫瘍,骨折,重症低血糖,糖尿病合併症の発生率が高かった。sitagliptinの忍容性は全般的に良好で,プラセボ投与に比較して安全性アウトカムに意味のある差を認めなかった。【片山茂裕

●目的 慢性腎臓病(CKD)を有する2型糖尿病患者において,sitagliptinの糖尿病合併症発生率に及ぼす影響と安全性を検討した。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(38ヵ国)。
●試験期間 登録期間は2008年12月~2012年7月。追跡期間中央値はCKDコホート2.8年,非CKDコホート3.0年。
●対象患者 TECOSに参加し,ベースラインの推算糸球体濾過量(eGFR)が評価された2型糖尿病患者14,528例。
登録基準:≧50歳,動脈硬化性心血管疾患,安定用量のmetformin,pioglitazone,スルホニル尿素薬,インスリン単独療法または2剤併用療法下でのHbA1c 6.5~8.0%。
除外基準:eGFR<30mL/分/1.73m2
●方法 TECOSでは,対象患者をsitagliptin群,プラセボ群にランダム化。
本解析では,eGFR<60mL/分/1.73m2のCKDコホート(3,324例)と,≧60mL/分/1.73m2の非CKDコホート(11,204例)に分類し,ベースライン特性と安全性を比較。さらに,CKDコホート内でsitagliptin群とプラセボ群のベースライン特性と安全性を比較した。
●結果 CKDコホートと非CKDコホートで,平均年齢はそれぞれ68.8/64.5歳,男性の割合は62.2/73.2%,糖尿病罹病期間は13.7/11.0年であった。
CKDコホートは非CKDコホートに比し,重篤な有害事象(14.3 vs. 12.2%),悪性腫瘍(4.7 vs. 3.6%),骨折(3.5 vs. 2.3%),重症低血糖(3.3 vs. 1.7%),糖尿病合併症(41.1 vs. 34.0%)の発生率が高かった。
CKDコホートにおいて,sitagliptin群とプラセボ群で,糖尿病に伴う眼疾患,糖尿病神経障害,腎不全,悪性腫瘍,骨折,膵炎,重症低血糖の発生率は同等であった。
●結論 CKDを有する2型糖尿病患者では,CKDを有さない2型糖尿病患者に比し,重篤な有害事象と糖尿病合併症の発生率が上昇した。sitagliptinの忍容性は全般的に良好で,プラセボ投与の場合と比べて安全性アウトカムに意味のある差を認めなかった。