編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Feig DS, Donovan LE, Corcoy R, Murphy KE, Amiel SA, Hunt KF, Asztalos E, Barrett JFR, Sanchez JJ, de Leiva A, Hod M, Jovanovic L, Keely E, McManus R, Hutton EK, Meek CL, Stewart ZA, Wysocki T, O'Brien R, Ruedy K, Kollman C, Tomlinson G, Murphy HR; CONCEPTT Collaborative Group. Continuous glucose monitoring in pregnant women with type 1 diabetes (CONCEPTT): a multicentre international randomised controlled trial. Lancet. 2017; 390: 2347-59. [PubMed]

CGMの表示値は,SMBGによる測定血糖値にとって代わるものではないことが明示されている。この研究でも,CGM群においてもSMBGを施行し,センサーを校正している。妊娠1型糖尿病においては,緻密に食前,食後血糖値を測定し,インスリン投与量を是正することが必須となる。今回の成績から,どのような時点でのSMBGがインスリン投与量是正に有効か,などの提案がなされることを期待したい。【河盛隆造

●目的 妊娠前および妊娠早期からの持続血糖モニター(CGM)使用の,母体血糖コントロール,産科アウトカム,および新生児の健康アウトカムに対する有効性を検討した。
一次アウトカムは,ベースラインから妊娠34週および24週後または受胎時のHbA1cの変化。
●デザイン 無作為,オープン,パラレル,多施設(カナダ,英国,スコットランド,スペイン,イタリア,アイルランド,米国の31施設)。
●試験期間 登録期間は2013年3月25日~2016年3月22日。
●対象患者 強化インスリン療法下の1型糖尿病で,妊婦または妊娠を予定している女性患者325例。
平均年齢は,妊婦のCGM群31.4/対照群31.5/妊娠予定者CGM群33.5/対照群32.4歳,BMIはそれぞれ26.1/25.3/26.4/26.6kg/m2,HbA1c 7.43/7.37/7.91/7.85%,インスリン用量0.69/0.76/0.61/0.61U/kg,糖尿病合併症25/28/34/40%,高血圧4/9/21/12%。
採用基準:18~40歳,糖尿病罹病期間≧12ヵ月,HbA1c 6.5~10%(妊婦[≦13週6日])または7.0~10.0%(妊娠予定者)。
●方法 run-in期間後,対象患者をインスリン投与方法(ポンプまたは注射)およびHbA1cで層別化し,CGM群161例(妊婦108例,予定者53例)および対照群164例(妊婦107例,予定例57例)に1:1にランダム化。反復測定分散分析により,一次アウトカムを解析した。
●結果 全対象患者のうち妊婦のみで比較すると,対照群に比べCGM群では,妊娠34週時のHbA1c改善度が有意に大きかった(CGM群-0.54 vs. 対照群-0.35%,平均差-0.19%,95%CI -0.34 to -0.03,p=0.0207)。CGM群は対照群よりも,目標血糖値(3.5~7.8 mmol/L)を推移する時間が長く(68 vs. 61%,p=0.0034),高血糖を推移する時間が短かった(27 vs. 32%,p=0.0279)。重症低血糖エピソードの発生(18 vs. 21件)および低血糖(3 vs. 4%)の発生は,両群で同等であった。CGM群では対照群に比べ新生児の健康アウトカムが改善され,胎児発育過剰(オッズ比0.51,95%CI 0.28 to 0.90,p=0.0210),24時間以上の新生児集中治療(0.48,0.26 to 0.86,p=0.0157),新生児低血糖(0.45,0.22 to 0.89,p=0.0250)が少なく,入院日数が1日短縮された(p=0.0091)。
妊娠予定者では,CGMによる著明な有効性は認められなかった。
全対象患者における有害事象の発生率は,妊婦ではCGM群48%,対照群40%,予定者ではそれぞれ27%,37%であり,最も多い有害事象は皮膚反応であった。深刻な有害事象は,妊婦の6%(CGM群7%,対照群5%),予定者の3%(それぞれ4%,2%)に認められ,最も多かったのは消化器症状であった。
●結論 1型糖尿病患者において,妊娠中のCGM使用は母体の高血糖を抑制し,新生児アウトカムの改善に寄与する可能性が示唆された。