編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Muhammad IF, Borné Y, Östling G, Kennbäck C, Gottsäter M, Persson M, Nilsson PM, Engström G. Arterial Stiffness and Incidence of Diabetes: A Population-Based Cohort Study. Diabetes Care. 2017; 40: 1739-45. [PubMed]

糖尿病患者では動脈硬化が進行し,動脈壁硬化により脈波伝播速度(c-f PWV)が亢進することはよく知られている。今回の2,450人規模で行われたスウエーデンでの解析から,c-f PWVが高値の群では糖尿病の新規発症リスクが増加することが明らかである。内皮細胞機能障害が動脈硬化と同時に進行することや,微小循環が障害されることなどが,糖尿病の新規発症に関与すると想定される。脈圧や中心動脈圧の増大なども糖尿病の新規発症リスクであることも報告されており,今後の高齢化社会の到来にあたって,当初は糖尿病でなくとも,動脈硬化の強い者では,高齢になってから糖尿病が発症するリスクに留意すべきこといえる。【片山茂裕

●目的 動脈壁硬化と糖尿病発症の関連を検討した。
●デザイン 前向き,コホート。
●試験期間 登録期間は2007年5月~2014年9月。追跡期間は平均4.43年。
●対象患者 スウェーデンMalmo市在住の男女2,450例。平均71.9歳。
除外基準:糖尿病。
●方法 頸動脈-大腿動脈の脈波伝播速度(c-f PWV)により動脈壁硬化を評価。
Cox比例ハザード回帰を用いて,潜在的交絡因子を調整後の糖尿病発症リスクをc-f PWVの三分位により評価した。
●結果 追跡期間の糖尿病発症は68例(2.8%)であった。
糖尿病の粗発生率(/1000人-年)は,c-f PWVの第1,第2,第3三分位でそれぞれ3.54,5.70,9.47であった。
年齢,性別,平均動脈圧,心拍数,腹囲,喫煙習慣,空腹時血糖,LDL-C,降圧薬使用を調整後,c-f PWVの第1三分位に対する第2,第3三分位の糖尿病発症のハザード比はそれぞれ1.83(95%CI 0.88-3.8),3.24(95%CI 1.51-6.97)であった(p for trend=0.002)。
●結論 c-f PWV上昇は,他のリスク因子とは独立して糖尿病発症リスクの上昇と関連したことから,動脈壁硬化は糖尿病発症の早期のリスクマーカーであることが示唆された。