編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年12月現在,1181報収載!
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Lean ME, Leslie WS, Barnes AC, Brosnahan N, Thom G, McCombie L, Peters C, Zhyzhneuskaya S, Al-Mrabeh A, Hollingsworth KG, Rodrigues AM, Rehackova L, Adamson AJ, Sniehotta FF, Mathers JC, Ross HM, McIlvenna Y, Stefanetti R, Trenell M, Welsh P, Kean S, Ford I, McConnachie A, Sattar N, Taylor R. Primary care-led weight management for remission of type 2 diabetes (DiRECT): an open-label, cluster-randomised trial. Lancet. 2017 Dec 4. pii: S0140-6736(17)33102-1. [PubMed]

この研究は,平均体重100kgの顕著な肥満例を対象にした,実践的な介入研究である。その結果,介入群では平均10kgの減量がみられ,HbA1cが6.5%以下になる例が多かった。本邦においては,健診で新たに2型糖尿病と診断された例に対して,決して“糖尿病放置病”にならないように,治療継続の教育が,いま最も求められている。【河盛隆造

●目的 プライマリケアの場において,集中的な体重管理が2型糖尿病の寛解をもたらすかどうかを検討した。
一次アウトカムは,ベースラインから12ヵ月後の15kg以上の減量,糖尿病の寛解(HbA1c<6.5%)。
●デザイン クラスター無作為,オープン,多施設(スコットランド,イングランドの49施設)。
●試験期間 登録期間は2014年7月25日~2017年8月5日。試験期間は12ヵ月。
●対象患者 2型糖尿病患者306例。
平均年齢は介入群52.9/対照群55.9歳,男性56/62%,BMI 35.1/34.2kg/m2,糖尿病罹病期間3.0/3.0年,HbA1c 7.7/7.5%,糖尿病治療薬74.5/77.2%,高血圧54/59.1%。
採用基準:20~65歳,罹病期間≦6年,BMI 27~45kg/m2
除外基準:現在のインスリン使用,HbA1c≧12%,6ヵ月以内の5kg以上の減量,推算糸球体濾過量<30mL/分/1.732m2,重症または不安定な心不全,他の臨床試験への参加,薬物乱用,がん,6ヵ月以内の心筋梗塞,学習障害,現在の抗肥満薬の使用,摂食障害,妊娠または妊娠予定者,うつによる入院または抗精神病薬の使用。
●方法 対象患者を,体重管理プログラム群(介入群)23例,および対照群26例に1:1にランダム化。
介入群では,3ヵ月間の全食事置換(825~853kcal/日,炭水化物59%,脂肪13%,タンパク質26%,食物繊維2%),その後の2~8週間の食事再導入(炭水化物50%,全脂肪35%,タンパク質15%)による食事療法を行い,長期の減量維持のための構造化支援を実施した。糖尿病治療薬および降圧薬は中止し,定期的な血糖および血圧測定により必要な場合に投与した。
対照群では,ガイドラインに沿った最善のケアを実施した。
●結果 脱落や同意撤回を除く各群149例ずつを,intention-to-treat解析の対象とした。
12ヵ月後の時点で15kg以上の減量を達成したのは,介入群36例(24%),対照群0例であり(p<0.0001),糖尿病の寛解を達成したのは介入群68例(46%),対照群6例(4%)であった(オッズ比19.7,95%CI 7.8 to 49.8,p<0.0001)。
寛解の達成は減量の程度によって異なり,達成者は体重が増量した76例では0例,0~5kgの減量を維持した89例のうち6例(7%),10~15kgの減量を維持した28例のうち16例(57%),15kg以上の減量を維持した36例のうち31例(86%)であった。
平均体重は,介入群で10kg減少し,対照群では1kg減少した(補正差-8.8kg,95%CI -10.3 to -7.3,p<0.0001)。
EuroQol 5 Dimensions visual analogueスケールで評価したQOLは,介入群で7.2ポイント改善し,対照群で2.9ポイント悪化した(補正差6.4ポイント,95%CI 2.5 to 10.3,p=0.0012)。
重篤な有害事象は介入群で7件,対照群で2件が認められた。介入群の2件(胆石疝痛と腹痛)は同一の患者で認められており,介入に関連しているものとみなされた。試験の中止を必要とする重篤な有害事象は認められなかった。
●結論 12ヵ月間の介入により,約半数の患者において糖尿病の寛解が達成され,糖尿病治療薬が不要となった。2型糖尿病の寛解は,プライマリケアにおける実際的な治療目標であることが示唆された。