編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Kadowaki T, Inagaki N, Kondo K, Nishimura K, Kaneko G, Maruyama N, Nakanishi N, Watanabe Y, Gouda M, Iijima H. Long-term safety and efficacy of canagliflozin as add-on therapy to teneligliptin in Japanese patients with type 2 diabetes. [PubMed]

DPP-4阻害薬であるteneligliptinとSGLT2阻害薬であるcanagliflozin併用投与の,安全性と有効性を検証した第III相試験である。52週にわたる本試験でも,新たな有害事象はみられず,HbA1cは0.99%低下,体重も3.92%減少しており,長期にわたる安全性と有効性が示されたといえる。抄録では食事負荷試験に触れられていないが,HOMA2-%Bやproinsulin/C-peptideの改善が52週まで継続しており,β細胞機能を改善させていることが示されている。また,食後のグルカゴンの増加はみられておらず,これはcanagliflozinの投与量が100mg/日と欧米に比べて少量であるためか,teneligliptinの併用が分泌抑制にはたらいたためとも考えられる。今回の試験では血中GLP-1濃度は測定されていないが,canagliflozinはSGLT1の阻害作用も若干有するためか,100mgの投与で血中GLP-1濃度を増加させるとも報告されており,teneligliptinの併用投与でさらに増加すると推定される。
teneligliptin 20 mgとcanagliflozin 100 mgの配合薬(カナリア®)がすでに2017年から発売されており,今後,DPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の併用投与が用いられる機会が,さらに増えるものと予想される。【片山茂裕

●目的 teneligliptin単独療法でコントロール不良の2型糖尿病患者において,canagliflozin追加の長期安全性および有効性を検討した。
安全性の評価項目は有害事象(AE)。有効性の評価項目はHbA1c,空腹時血糖(FPG),体重の変化。
●デザイン オープン,多施設(日本の24施設),第III相。
●試験期間 試験期間は52週。
●対象患者 teneligliptin(20 mg/日,分1)単独療法を行っている2型糖尿病患者153例。男性70.6%,平均年齢56.1歳,BMI 26.5 kg/m2,HbA1c 8.1%,FPG 177.3 mg/dL。
登録基準:≧20歳,HbA1c≧7.0%かつ<10.5%,FPG≦270 mg/dL,食事および運動療法期間>12週。
除外基準:1型糖尿病,膵疾患による糖尿病または二次性糖尿病,重篤な糖尿病合併症,遺伝性グルコース-ガラクトース吸収不良または原発性腎性糖尿,NYHAクラスIII/IVの心不全症状,重度の肝または腎疾患。
●方法 1日1回,朝食前にcanagliflozin(100 mg/日,分1)を追加投与。食事および運動療法は継続とした。
ベースライン時,24週後,52週後に混合食負荷試験を実施した。
●結果 試験を完遂したのは142例であった。
52週後の全AE発生率は69.9%(107/153例,269件),薬剤関連AE発生率は22.9%(35/153例,45件)で,いずれも大半は軽度または中等度であった。これまでに報告されていない安全性の問題は認められなかった。
52週後のHbA1c平均変化度は-0.99%(95%CI-1.12 to -0.85%),FPG平均変化は-38.6 mg/dL(95%CI-43.4 to -33.9 mg/dL),体重変化率は-3.92%(95%CI-4.53 to -3.31%)であり,いずれも52週後まで持続した。治療終了時に患者の82.2%でHbA1cと体重の両方が低下していた。
24週後,52週後の2時間食後血糖値の変化度はそれぞれ-63.3mg/dL,-60.7mg/dLであった。
●結論 teneligliptinとcanagliflozin併用による新規の安全性のリスクは特定されず,HbA1c,FPG,体重が持続して改善した。