編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Heller SR, Pratley RE, Sinclair A, Festa A, Kiljański J, Brusko CS, Duan R, Heine RJ. Glycaemic outcomes of an Individualized treatMent aPproach for oldER vulnerable patIents: A randomized, controlled stUdy in type 2 diabetes Mellitus (IMPERIUM). Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 148-56. [PubMed]

海外とは異なり,日本の高齢者糖尿病の治療ガイドラインでは,低血糖を来しうる薬剤とそうでない薬剤では,血糖コントロール目標が明瞭にわかれている。
本研究では,SU剤やインスリンを用いた治療では,それ以外の薬剤による治療と比べて,目標血糖コントロール達成を目指した場合に,低血糖の発生頻度が明らかに異なることを示している。この結果は,日本の血糖コントロール目標設定の重要な根拠となると考えられる。【綿田裕孝

●目的 食事/運動療法および経口血糖降下薬(OAM)治療下でコントロール不良の脆弱な高齢2型糖尿病患者において,血糖依存性治療と血糖非依存性治療を比較した。
主要評価項目は,臨床的に重大な低血糖(重症低血糖,患者の活動中断を来す反復性低血糖,血糖値<54mg/dL)を認めない個々のHbA1c目標の達成/維持。
●デザイン 無作為,実薬対照,多施設(4ヵ国[オーストリア,ドイツ,英国,プエルトリコを含む米国],40施設),オープン,パラレル。
●試験期間 登録期間は2014年2月~2015年10月。治療期間は中央値49.0週。
●対象患者 ≧65歳の2型糖尿病患者192例。
登録基準:HbA1c>7.3%かつ<10.9%でスクリーニング時に個々の目標範囲の上限よりも≧0.4%高い者,臨床フレイル尺度スコア≧4点および/または総疾患負荷指数スコア≧5点,食事および運動療法の実施またはOAM投与期間≧3ヵ月。
●方法 対象患者を,血糖依存性治療群(スルホニル尿素[SU]薬以外のOAM+OAMが有効でない場合のGLP-1受容体作動薬注射,99例),血糖非依存性治療群(SU薬+SU薬が有効でない場合のインスリンglargine注射,93例)にランダム化。
スクリーニング時に個々のHbA1c目標(7.5~7.9%,7.0~7.4%,<7%)を決定した。
●結果 血糖依存性治療群と血糖非依存性治療群で,主要評価項目の達成率に有意差はなかった(64.5 vs. 54.9%,p=0.190)。
血糖依存性治療群は非依存性治療群に比し,全低血糖率(10.2 vs. 53.8%),確認された症候性低血糖率(5.1 vs. 36.6%),無症候性低血糖率(8.2 vs. 32.3%)が有意に低かった(すべてp<0.001)。
HbA1c目標の達成/維持率は両群で同等であった(63.3 vs. 55.9%)。
●結論 脆弱な高齢2型糖尿病患者において,血糖依存性治療と血糖非依存性治療で,臨床的に重大な低血糖を認めない血糖目標達成/維持率は同等であったが,低血糖リスクは血糖依存性治療で低下した。