編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年5月現在,1161報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Ikramuddin S, Korner J, Lee WJ, Thomas AJ, Connett JE, Bantle JP, Leslie DB, Wang Q, Inabnet WB 3rd, Jeffery RW, Chong K, Chuang LM, Jensen MD, Vella A, Ahmed L, Belani K, Billington CJ. Lifestyle Intervention and Medical Management With vs Without Roux-en-Y Gastric Bypass and Control of Hemoglobin A1c, LDL Cholesterol, and Systolic Blood Pressure at 5 Years in the Diabetes Surgery Study. JAMA. 2018; 319: 266-78. [PubMed]

薬物治療を行っているコントロール不良の2型糖尿病患者における,ルーワイ胃バイパス術の効果を無作為化試験にて検討した成績である。その結果,HbA1c 7%未満を5年後に達成している患者の割合は,手術群では半数を超えているのに対し非手術群では14%であること,脂質,血圧の目標値もすべて達成している症例は,手術群では23%であったが非手術群ではわずか4%であることが示されている。
胃がんの多い日本で,ルーワイ胃バイパス術を行うことは問題が多い。しかしながら,本試験と同様の結果が,他の術式で,かつ東洋人で示された場合は,日本においても今よりも積極的に胃手術を選択する時代が到来する可能性がある。【西村理明

●目的 強化生活習慣介入+薬物療法を行っているコントロール不良の肥満2型糖尿病患者において,ルーワイ胃バイパス術の施行による糖尿病の治療目標達成の持続性を検討した。
主要評価項目は,HbA1c<7.0%,LDLコレステロール<100mg/dL,収縮期血圧<130mmHgを同時に達成すること。
●デザイン 無作為化比較試験の延長追跡研究,多施設(米国と台湾の4施設)。
●試験期間 登録期間は2008年4月~2011年12月。2016年11月追跡終了。追跡期間は5年。
●対象患者 コントロール不良の肥満2型糖尿病患者120例。平均年齢49歳,女性60%。
登録基準:2型糖尿病治療実施下で6ヵ月以上のHbA1c≧8.0%,BMI 30.0~39.9kg/m2
●方法 全例に,DPP試験とLookAHEAD試験に基づいた強化生活習慣介入と薬物療法を2年間実施。
ルーワイ胃バイパス術群(60例),非手術群(60例)に1:1にランダム化した。
●結果 5年間の追跡を完了したのは98例(82%)であった。
胃バイパス術群と非手術群で,ベースラインのBMIはそれぞれ34.9kg/m2,34.4kg/m2,HbA1cはいずれも9.6%であった。
5年後に主要評価項目を達成したのは,胃バイパス術群13例(23%),非手術群2例(4%)であり,有意な群間差を認めた(群間差19%,95%CI 4 to 34%,p=0.01)。
5年後にHbA1c<7.0%であったのは,胃バイパス術群31例(55%),非手術群8例(14%)であった(群間差41%,95%CI 19 to 63%,p=0.002)。
胃バイパス術群は非手術群より重篤な有害事象が多く(66 vs. 38イベント),主はものは消化管症状,狭窄,小腸閉塞,漏出などの外科的合併症であった。
胃バイパス術群では副甲状腺ホルモン上昇が有意に多かったが(46 vs. 19%,p=0.02),ビタミンB12欠乏症には有意な群間差がなかった(4 vs. 3%)。
●結論 肥満の2型糖尿病患者において,強化生活習慣介入+薬物療法へのルーワイ胃バイパス術追加により,5年後も糖尿病コントロールが有意に良好となった。