編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Ahmann AJ, Capehorn M, Charpentier G, Dotta F, Henkel E, Lingvay I, Holst AG, Annett MP, Aroda VR. Efficacy and Safety of Once-Weekly Semaglutide Versus Exenatide ER in Subjects With Type 2 Diabetes (SUSTAIN 3): A 56-Week, Open-Label, Randomized Clinical Trial. Diabetes Care. 2018; 41: 258-66. [PubMed]

2型糖尿病の治療薬において,心血管疾患の発症予防効果があることが,いくつかのGLP-1受容体作動薬で示されている。そのなかでも週1回投与が可能である薬物として,現在,semaglutideと徐放性exenatideの2剤が上市されている。
本研究はこの2剤の有効性と安全性を無作為化試験にて比較している。その結果,semaglutideの有効性が有意に高く,体重減少効果についても優れていること,しかしながら,副作用もsemaglutideで有意に多いことが示されている。
semaglutideに関しては,すでにSUSTAIN 6にて,心血管疾患の有意な発症予防効果があることが示されている。一方,徐放性exenatideに関しては,EXSCEL試験の結果が報告され,心血管疾患の有意な発症予防効果は認められなかった。
以上の結果より,ヒトGLP-1由来のsemaglutideが,臨床上,優れている可能性が高いと考えられる。今後,経口のsemaglutideも登場してくる予定であり,その臨床試験の結果を注意深く見ていく必要がある。【西村理明

●目的 経口糖尿病治療薬(OAD)の治療下でコントロール不良の2型糖尿病患者において,週1回semaglutide 1.0mg皮下注と週1回徐放性exenatide 2.0mg皮下注の有効性と安全性を比較した。
主要評価項目は,56週後のHbA1c変化。
●デザイン 無作為,オープン,パラレル,実薬対照,多施設(欧州,南米,米国の12ヵ国,141施設),第3a相。
●試験期間 登録期間は2013年12月~2014年4月。治療期間は56週。
●対象患者 OAD服用中の2型糖尿病患者809例。
登録基準:≧18歳,HbA1c 7.0~10.5%,スクリーニング前90日以上のOAD 1~2剤(metformin,チアゾリジン薬,SU薬)による治療。
除外基準:推算糸球体濾過量<60mL/分/1.73m2,スクリーニング前90日以内の登録基準に示された薬剤以外の血糖降下薬による長期治療,慢性または特発性急性膵炎の既往,ランダム化前90日以内の急性冠または脳血管イベント,NYHAクラスIV心不全。
●方法 対象患者をsemaglutide 1.0mg群(404例),徐放性exenatide 2.0mg群(405例)に1:1にランダム化し,週1回皮下投与した。
●結果 56週後の平均HbA1cは,semaglutide群で1.5%低下し,徐放性exenatide群で0.9%低下した(推定治療差-0.62%,95%CI -0.80 to -0.44,p<0.0001)。HbA1c<7.0%達成率は,semaglutide群67%,徐放性exenatide群40%であった(p<0.0001)。平均体重は,semaglutide群で5.6kg減少し,徐放性exenatide群で1.9kg減少した(推定治療差-3.78kg,95%CI -4.58 to -2.98,p<0.0001)。
安全性プロファイルは両群で同等であったが,消化管の有害事象はsemaglutide群で多く(41.8 vs. 33.3%),注射部位における有害事象は徐放性exenatide群で多かった(1.2 vs. 22.0%)。
●結論 OAD治療下でコントロール不良の2型糖尿病患者において,週1回semaglutide 1.0mg皮下注は週1回徐放性exenatide 2.0mg皮下注に比し,56週後の血糖コントロール改善と体重減少に優れることが示唆された。