編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Seino Y, Terauchi Y, Osonoi T, Yabe D, Abe N, Nishida T, Zacho J, Kaneko S. Safety and efficacy of semaglutide once weekly vs sitagliptin once daily, both as monotherapy in Japanese people with type 2 diabetes. Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 378-88. [PubMed]

本検討は,日本人におけるGLP-1受容体作動薬semaglutideの有効性と安全性を評価した臨床試験の結果である。
安全性に関しては想定範囲内であるが,有効性については,semaglutide 10mg群で最終平均HbA1cが5.9%というのは驚くべきデータである。血糖コントロールの目標としてHbA1c 6.0%を設定しても,達成できない人が多いなかで,本薬剤はその目標達成に有効性が高いことが明らかとなった。【綿田裕孝

●目的 日本人2型糖尿病患者において,週1回semaglutide皮下注と1日1回sitagliptin経口投与の安全性と有効性を比較した。
主要評価項目は,治療により出現した有害事象。
●デザイン 無作為,多施設(日本),オープン,パラレル,実薬対照,第IIIa相。
●試験期間 治療期間は30週。
●対象患者 日本人2型糖尿病患者308例。平均58.3歳,男性76.3%,HbA1c 8.1%,体重69.3kg,BMI 25.4kg/m2
登録基準:≧20歳,スクリーニング前30日以上の経口糖尿病治療薬(OAD)単独療法+食事または運動療法(HbA1c 6.5~9.5%の場合)/食事および運動療法(HbA1c 7.0~10.5%の場合)。
除外基準:スクリーニング前60日間の血糖降下薬治療(OAD単独療法患者における試験前のOADを除く,併発疾患による≦7日の短期インスリン使用を除く),慢性または特発性急性膵炎の既往,スクリーニング時のカルシトニン≧50ng/L,甲状腺髄様がんまたは多発性内分泌腫瘍症2型の既往または家族歴,腎機能障害(推算糸球体濾過量<60mL/分/1.73m2),ランダム化前90日以内の急性冠動脈または脳血管イベント,NYHAクラスIV心不全。
●方法 semaglutide 0.5mg群,semaglutide 1.0mg群,sitagliptin 100mg群に1:1:1にランダム化。
semaglutideは週1回皮下注,sitagliptinは1日1回経口投与とした。
●結果 早期の治療中止率は,semaglutide 0.5mg群2.9%,1.0mg群14.7%,sitagliptin群2.9%であり,その多くが有害事象を理由としていた。
有害事象を報告した患者の割合は,semaglutide 0.5mg群74.8%,1.0mg群71.6%,sitagliptin群66.0%であった。有害事象はおもに軽度から中程度のものであり,semaglutide群でもっとも多くみられたのは消化管の有害事象であったが,時間経過とともに頻度が低下した。
HbA1cの低下度は,semaglutide 0.5mg群1.9%,1.0mg群2.2%,sitagliptin群0.7%であった(sitagliptin群と比較した場合のsemaglutide 0.5mg群と1.0mg群の推定治療差はそれぞれ-1.13%[95%CI -1.32 to -0.94],-1.44%[-1.63 to -1.24];いずれもp<0.0001)。
体重減少度は,semaglutide 0.5mg群2.2kg,1.0mg群3.9kg,sitagliptin群0kgであった(sitagliptin群と比較した場合のsemaglutide 0.5mg群と1.0mg群の推定治療差はそれぞれ-2.22kg[-1.42 to -3.88],-3.88kg[-4.70 to -3.07];いずれもp<0.0001)。
●結論 日本人2型糖尿病患者において,週1回semaglutide皮下注は1日1回sitagliptin経口投与に比べて有害事象が増加するが,HbA1c低下度と体重減少度が有意に大きかった。