編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Gallwitz B, Dagogo-Jack S, Thieu V, Garcia-Perez LE, Pavo I, Yu M, Robertson KE, Zhang N Giorgino F. Effect of once-weekly dulaglutide on glycated haemoglobin (HbA1c) and fasting blood glucose in patient subpopulations by gender, duration of diabetes and baseline HbA1c. Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 409-18. [PubMed]

わが国で広く用いられているGLP-1受容体作動薬の週1回投与製剤であるdulaglutide(トルリシティ®)の,これまで行われた第III相試験の併合解析である。HbA1cの低下度からみた効果は,性別,罹病期間を問わず有効性が確認された。また,ベースラインのHbA1cが高い群(8.5%以上)では,8.5%未満の群に比較してHbA1cの低下度は大きかった。
重篤な低血糖は少なく,dulaglutide群および対照群(exenatide 2例,インスリンglargine 18例)においてそれぞれ20例であった。dulaglutide群の低血糖は,1.5 mg群で12例(10例はインスリンlisproとの併用,2例はmetforminとglimepirideとの併用),0.75 mg群で8例(全例インスリンlisproとの併用)であった。
第III相試験の1年間という短期間の試験では,dulaglutideは有効かつ比較的安全な薬であることが示されたといえよう。【景山茂】

●目的 2型糖尿病患者において,週1回dulaglutide(1.5mg,0.75mg)の有効性と安全性を,男女別,糖尿病罹病期間別,ベースラインのHbA1c別に検討した。
●デザイン 第III相無作為化比較試験の統合解析。
●試験期間 試験期間は24~104週。
●対象患者 AWARD-1,2,3,4,5,6,8に参加した2型糖尿病患者5,470例。dulaglutide 1.5mg 1,958例,0.75mg 1,417例,実薬対照1,717例,プラセボ378例。
●方法 AWARD-1,2,3,4,5,6,8のデータを統合し,男女別,糖尿病罹病期間別(<5年,≧5~<10年,≧10年),ベースラインのHbA1c別(<8.5%,≧8.5%)にHbA1cの変化,体重の変化,低血糖,消化管有害事象を評価した。
●結果 6ヵ月のdulaglutide 1.5mg治療後のHbA1c低下度の最小二乗平均は,男女別(男性は-1.26%,女性は-1.33%),糖尿病罹病期間別(<5年は-1.32%,≧5~<10年は-1.33%,≧10年は-1.24%)では同等であるが,ベースラインのHbA1c別では差異を認めた(<8.5%は-1.02%,≧8.5%は-1.86%)。空腹時血糖(FBG)低下はHbA1cの変化と一致した。dulaglutide 0.75mgでも同様の結果であった。
体重の変化は,糖尿病罹病期間別,ベースラインのHbA1c別では同等であるが,女性は男性より体重減少度が大きいか体重増加度が小さかった。
男女別または糖尿病罹病期間別では,低血糖に対して臨床的に意味のある差異を認めなかったが,ベースラインのHbA1c≧8.5%は<8.5%に比し,低血糖発生率が低かった(食事時のインスリンを併用したAWARD-4を除く)。
消化管有害事象については,女性は悪心・嘔吐の発生率が高かったが,糖尿病罹病期間別,ベースラインのHbA1c別の差異は認めなかった。
●結論 AWARDプログラムにおいて,dulaglutideは性別,糖尿病罹病期間,ベースラインのHbA1cにかかわらず有意に血糖コントロールを改善し,ベースラインのHbA1cが高値の患者ではHbA1cとFBGの低下度が大きいことが示された。dulaglutideの忍容性は良好であった。