編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Rosenstock J, Frias J, Páll D, Charbonnel B, Pascu R, Saur D, Darekar A, Huyck S, Shi H, Lauring B, Terra SG. Effect of ertugliflozin on glucose control, body weight, blood pressure and bone density in type 2 diabetes mellitus inadequately controlled on metformin monotherapy (VERTIS MET). Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 520-9. [PubMed]

平均体重85kgの肥満2型糖尿病患者に対する,SGLT2阻害薬追加投与の成績である。
HbA1cは,ベースラインの8.2%から12週時に0.6%低下したが,その後26週時には,さらなる低下は認められなかった。体重の時間経過の報告はないが,26週時には3kgの低下にとどまった。尿糖が毎日80~100g出現しているのに,なぜ体重が横ばいになってしまうのか,血糖値がそれ以上低下しないのかは不明である。その理由を解明するような臨床研究が望まれる。【河盛隆造

●目的 metformin単独療法でコントロール不良の成人2型糖尿病患者において,ertugliflozinの有効性と安全性を評価した。
有効性の一次エンドポイントは,26週時のHbA1cの変化。安全性のエンドポイントは,有害事象,骨密度(BMD)および骨代謝マーカーの変化,理学検査,バイタルサイン,臨床検査値。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,パラレル,多施設,第III相。
●試験期間 試験期間は26週。
●対象患者 2型糖尿病患者621例。平均年齢56.6歳,男性46.4%,BMI 30.9 kg/m2,HbA1c 8.1%。
採用基準:18歳以上,metformin治療下でのHbA1c 7.0~10.5%,BMI 18.0~40.0 kg/m2
除外基準:1型糖尿病,ケトアシドーシスの既往,推算糸球体濾過量(eGFR)<55mL/分/1.73m2,骨粗鬆症または性特異的BMD Tスコア-2.5未満,BMD評価に影響する疾患および薬剤,骨代謝に影響する薬剤,肥満手術の予定。
●方法 最短8週間のスクリーニング期間および2週間のrun-in期間後,対象患者をertugliflozin 5mg群(207例),15mg群(205例),プラセボ群(209例)に1:1:1にランダム化。患者は,男性,閉経前女性,閉経周辺期または閉経後3年未満または両側卵巣摘出術後3年未満の女性,閉経後3年以上の女性で層別化した。
スクリーニング期間中に,全症例に,HbA1c 7.0~10.5%はmetformin≧1500mg,HbA1c 7.5~11.0%はmetformin<1500mg,HbA1c 6.5~9.5%はmetforminと他の血糖降下薬(SU薬,DPP-4阻害薬,meglitinde,αグルコシダーゼ阻害薬)の2剤を投与した。
●結果 26週時のHbA1c変化のプラセボ調整最小二乗平均は,ertugliflozin 5mg群-0.7%,15mg群-0.9%であり(いずれもp<0.001),最終値はそれぞれ7.3%,7.2%であった。プラセボ群に比べ,ertugliflozin両群では,HbA1c<7.0%のオッズ比が有意に高かった。ertugliflozin群では,空腹時血糖,体重,血圧が,プラセボ群に比べ有意に低下した。性器感染症の発生率は,プラセボ群に比べてertugliflozin群で高く(女性:ertugliflozin 5mg群5.5%,15mg群6.3%,プラセボ群0.9%,男性:3.1%,3.2%,0%),尿路感染症および症候性低血糖の発生率も同様であった。脱水の発生はいずれの群でも同等であった。ertugliflozinによる26週時のBMDに対する悪影響は認められなかった。
●結論 metformin治療でコントロール不良の2型糖尿病患者に対するertugliflozinの追加は,血糖コントロールを改善し,体重を減少させ,血圧を低下させたが,性器感染症を増加させた。