編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Currie CJ, Holden SE, Jenkins-Jones S, Morgan CL, Voss B, Rajpathak SN, Alemayehu B, Peters JR, Engel SS. Impact of differing glucose-lowering regimens on the pattern of association between glucose control and survival. Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 821-30. [PubMed]

これまで2型糖尿病の患者におけるHbA1cと全死亡率との関連をみた研究の多くでは,J字型,V字型,あるいはU字型の関係が観察されている。
本検討により,とくにHbA1c低下に伴い死亡率が増加する現象は,低血糖を起こしやすい薬剤の投与に伴うものであることが明らかとなった。この結果はHbA1c 6.0%未満を目指す妥当性や,高齢者においてもHbA1c7.0%未満を目指す妥当性を支持する背景と考えられる。【綿田裕孝

●目的 さまざまな低血糖リスクを有する血糖降下治療を行った2型糖尿病患者において,達成HbA1c別に全死亡リスクを検討した。
評価項目は全死亡。
●デザイン 後向き,コホート。
●試験期間 全追跡期間は374,591年。
●対象患者 2004年1月~2013年12月に血糖降下治療の単独療法またはmetforminを用いた2剤併用療法を受けた2型糖尿病患者131,315例。
除外基準:1型糖尿病,追跡期間<91日,追跡期間のHbA1c観察値がない者。
●方法 英国臨床診療研究データリンク,および付随するHospital Episode Statisticsのデータを使用した。
3ヵ月ごとに更新される平均HbA1cを時間依存性共変量として用いたCox比例ハザードモデルにより,6種類の治療コホート内の全死亡リスクを評価。
6種類の治療は,インスリン単独(6,827例),metformin単独(76,821例),スルホニル尿素(SU)薬単独(14,834例),低血糖リスクの低い治療(101,740例),インスリンを除外した低血糖リスクの高い治療(50,094例),インスリンを含む低血糖リスクの高い治療(66,046例)とした。
●結果 追跡期間中の死亡は6,646例であった。
達成HbA1c≧7%かつ<8.5%に対する<7%の死亡の調整ハザード比は治療コホートにより異なり,metformin単独は1.03(95%CI 0.95-1.12),SU薬は1.11(95%CI 0.99-1.25),インスリン単独は1.47(95%CI 1.25-1.72),低血糖リスクの低い治療は1.02(95%CI 0.94-1.10),インスリンを除外した/インスリンを含む低血糖リスクの高い治療は1.24(95%CI 1.13-1.35)/1.28(95%CI 1.18-1.37)であった。
低血糖リスクの低い治療では,HbA1cが高いほど死亡リスクが上昇した。
HbA1cの十分位による事後解析では,すべての治療コホートで全死亡リスクはHbA1cの第1十分位で上昇し,とくに低血糖リスクの高い治療で顕著であった。
低血糖リスクの高い治療では,HbA1cの高さと死亡リスクに関連を認めなかった。
●結論 達成HbA1cが低い場合は中等度の場合に比べて死亡リスクが上昇し,特に低血糖リスクの高い治療において明らかであった。低血糖リスクの低い治療においては,HbA1cが高いほど死亡リスクが上昇した。