編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年10月現在,1177報収載!
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Zheng SL, Roddick AJ, Aghar-Jaffar R, Shun-Shin MJ, Francis D, Oliver N, Meeran K. Association Between Use of Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibitors, Glucagon-like Peptide 1 Agonists, and Dipeptidyl Peptidase 4 Inhibitors With All-Cause Mortality in Patients With Type 2 Diabetes: A Systematic Review and Meta-analysis. JAMA. 2018; 319: 1580-91. [PubMed]

このネットワークメタアナリシスの解析結果の解釈には注意が必要であろう。対象となった症例の大半は,治療薬とプラセボとの臨床治験成績であり,治療薬を直接比較した試験の対象例は1万例強に過ぎない。さらに,対象症例は心血管イベント発症リスクの高い例である。
本邦での糖尿病治療の目標は,もはや遠い将来の心血管イベントの発症防止ではなく,正常に近い血糖応答を維持して,内因性インスリン分泌を長期にわたって保持し,安定したコントロール状況を保つことであろう。そのために,一例一例の病態を正しく把握し,的確な薬剤選択をすべきであろう。【河盛隆造

●目的 2型糖尿病患者において,SGLT2阻害薬,GLP-1受容体作動薬,DPP-4阻害薬の死亡率および心血管アウトカムに対する有効性を比較した。
主要評価項目は全死亡。副次評価項目は心血管(CV)死,心不全(HF)イベント,心筋梗塞(MI),不安定狭心症,脳卒中。安全性の評価項目は有害事象,低血糖。
●デザイン ネットワークメタアナリシス。
●試験期間 追跡期間は310,166人-年。
●対象患者 2型糖尿病患者176,310例。
●方法 MEDLINE,Embase,Cochrane Library Central Register of Controlled Trialsを用いて,2017年10月11日までに発表された,追跡期間≧12週のランダム化比較試験236件を抽出した。
●結果 SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は対照に比し,全死亡率を有意に低下させた(絶対リスク差[RD]はそれぞれ-1.0%,-0.6%,ハザード比[HR]はそれぞれ0.80[95%CI 0.71-0.89],0.88[95%CI 0.81-0.94])。
DPP-4阻害薬と対照では,全死亡率に有意差はなかった(絶対RD 0.1%,HR 1.02[95%CI 0.94-1.11])。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬はDPP-4阻害薬に比し,全死亡率を有意に低下させた(絶対RDはそれぞれ-0.9%,-0.5%,HRはそれぞれ0.78[95%CI 0.68-0.90],0.86[95%CI 0.77-0.96])。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬は対照に比し,CV死率を有意に低下させ,絶対RDはそれぞれ-0.8%,-0.5%,HRはそれぞれ0.79(95%CI 0.69-0.91),0.85(95%CI 0.77-0.94)であった。
SGLT2阻害薬とGLP-1受容体作動薬では,全死亡率に有意な差はなかった(絶対RD-0.4%,HR 0.91[95%CI 0.79-1.04])。
SGLT2阻害薬は対照に比し,HFイベント率が有意に低く(絶対RD-1.1%,HR 0.62[95%CI 0.54-0.72]),MI率が有意に低かった(絶対RD-0.6%,HR 0.86[95%CI 0.77-0.97])。
GLP-1受容体作動薬の試験中止に至る有害事象リスクは,SGLT2阻害薬(絶対RD 5.8%,HR 1.80[95%CI 1.44-2.25]),DPP-4阻害薬(絶対RD 3.1%,HR 1.93[95%CI 1.59-2.35])より高かった。
●結論 SGLT2阻害薬またはGLP-1受容体作動薬は,DPP-4阻害薬または対照に比し,全死亡リスクが有意に低かった。DPP-4阻害薬は対照に比し,全死亡リスクを低下させなかった。