編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2018年11月現在,1180報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Hu Y, Zong G, Liu G, Wang M, Rosner B, Pan A, Willett WC, Manson JE, Hu FB, Sun Q. Smoking Cessation, Weight Change, Type 2 Diabetes, and Mortality. N Engl J Med. 2018; 379: 623-32. [PubMed]

これまで,これほど長期間に禁煙の効果が検討された研究はなく,その有効性は不明であった。本検討により,長期間の禁煙は体重増加により2型糖尿病の発症リスクを上昇させるが,明らかに心血管疾患を減少させており,その効果は長期にわたり維持されることが明らかとなった。
喫煙している2型糖尿病患者に対しては,禁煙に伴う血糖コントロールの悪化よりも,禁煙によりもたらされる利益のほうが大きいことを鑑みて治療にあたるべきである。【綿田裕孝

●目的 禁煙者において,2型糖尿病,心血管疾患死,全死亡のリスク軌跡を,禁煙後の体重変化別に検討した。
●デザイン コホート研究の統合解析。
●試験期間 追跡期間は平均19.6年。
●対象患者 NHS,NHS II,HPFSの参加者。2型糖尿病の解析対象は162,807例,死亡の解析対象は170,723例。
除外基準:2型糖尿病の解析ではベースラインの糖尿病・心血管疾患・がんおよび糖尿病の診断日データがない者,死亡の解析ではベースラインの心血管疾患・がん。
●方法 NHS,NHS II,HPFSのデータを統合して使用した。
2年ごとの調査により,対象者を現在の喫煙群,一時的禁煙群,最近の禁煙群(禁煙期間2~6年),長期禁煙群(連続した禁煙期間>6年)に分類。
最近の禁煙群を,禁煙後6年間の体重増加レベル別に,≦0kg,0.1~5.0kg,5.1~10.0kg,10.0kgに分類した。
●結果 多変量を調整後,最近の禁煙群は現在の喫煙群に比し,2型糖尿病リスクが高かった(ハザード比[HR]1.22,95%CI 1.12-1.32)。2型糖尿病リスクは禁煙後5~7年で最大となり,その後は徐々に低下した。
禁煙後の2型糖尿病リスクの一時的な上昇は体重増加に直接比例し,体重増加≦0kgではリスク上昇を認めなかった(交互作用のp<0.001)。
死亡リスクについては,体重変化にかかわらず,禁煙後の一時的な上昇を認めなかった。
現在の喫煙群と比較した心血管疾患死のHRは,最近の禁煙群の体重増加≦0kgで0.69(95%CI 0.54-0.88),0.1~5.0kgで0.47(95%CI 0.35-0.63),5.1~10.0kgで0.25(95%CI 0.15-0.42),>10.0kgで0.33(95%CI 0.18-0.60),長期禁煙群は0.50(95%CI 0.46-0.55)であった。全死亡リスクについても同様であった。
●結論 大幅な体重増加を伴う禁煙により,短期的には2型糖尿病リスクが上昇したが,禁煙による心血管疾患死および全死亡の減少効果には影響がなかった。