編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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George C, Ducatman AM, Conway BN. Increased risk of respiratory diseases in adults with Type 1 and Type 2 diabetes. Diabetes Res Clin Pract. 2018; 142: 46-55. [PubMed]

糖尿病患者では呼吸器疾患による死亡率が高いことが知られており,1型糖尿病では10倍,2型糖尿病では2倍ともいわれている。今回のC8 Health Projectの参加者53,000人あまりを対象とした多数例での解析でも,糖尿病,特に1型糖尿病では,肺気腫,慢性閉塞性肺疾患(COPD),慢性気管支炎(CB),喘息との強い関連が認められた。糖尿病では,肺の弾性の低下や毛細血管体積の減少やCO拡散能の低下などがあり,高血糖によるAGEの蓄積も関与する可能性がある。特に1型糖尿病では,自己免疫や自律神経障害や細小血管の障害など関与も考えられる。喫煙の関与が1型糖尿病患者で小さかったのは,このような1型に得意な機序が関与するためかもしれない。【片山茂裕

●目的 1型および2型糖尿病と呼吸器疾患(RD)リスクの関連を検討した。
●デザイン 地域ベース研究。
●試験期間 -
●対象患者 成人のC8 Health Project参加者53,146例。
●方法 ペルフルオロオクタン酸曝露による健康への影響を検討したC8 Health Projectの参加者を対象とした。
対象者を,自己報告に基づいて1型糖尿病群(781例),2型糖尿病群(4,277例),非糖尿病群(48,088例)に分類。
糖尿病と4つのRD(肺気腫,慢性閉塞性肺疾患[COPD],慢性気管支炎[CB],喘息)の関連性を評価するため,年齢,性別,人種,推算糸球体濾過量,C反応性タンパク質,ペルフルオロオクタン酸,喫煙状況,BMI,最終学歴,年間世帯収入を調整したオッズ比(OR)を算出した。
●結果 RDの有病率は,1型糖尿病群26%,2型糖尿病群21%,非糖尿病群13%であった。
非糖尿病群に対するRDのOR(95%CI)は,1型糖尿病群1.62(1.36-1.93),2型糖尿病群1.26(1.15-1.37)であった。
非糖尿病群に対する1型糖尿病群と2型糖尿病群の各RDのOR(95%CI)は,COPDはそれぞれ1.89(1.38-2.57),1.45(1.23-1.71),喘息はそれぞれ1.51(1.21-1.87),1.38(1.24-1.53),CBはそれぞれ1.96(1.57-2.45),1.35(1.20-1.52),肺気腫はそれぞれ1.25(0.85-1.82),1.31(1.10-1.56)であった。
RDに対する喫煙歴の集団寄与リスクは,1型糖尿病群18.6%,2型糖尿病群29.8%,非糖尿病群26%であった。
●結論 糖尿病,特に1型糖尿病はRDリスクを上昇させることが示された。喫煙はRDの重要なリスク因子であったが,1型糖尿病では喫煙の影響が小さかった。