編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Huang T, Lin BM, Stampfer MJ, Tworoger SS, Hu FB, Redline S. A Population-Based Study of the Bidirectional Association Between Obstructive Sleep Apnea and Type 2 Diabetes in Three Prospective U.S. Cohorts. Diabetes Care. 2018; 41: 2111-9. [PubMed]

糖尿病もOSAも心血管疾患のリスク因子である。そして両疾患が併存することもよく知られている。しかしながら,両疾患に関する大規模な前向き試験は多くはない。今回の報告は,NHS,NHSII,HPFSの3つのコホートを統合解析した貴重な検討である。
その結果,生活習慣やBMIで補正しても,OSAがあれば糖尿病の発症リスクが37%高まり,逆に糖尿病があればOSAの発症リスクが43%高かった。補正前に比べて,生活習慣やBMIで補正すると両者の関連が弱まることから,生活習慣やBMIは両疾患の強い交絡因子になっており,炎症や耐糖能異常やインスリン抵抗性などが両疾患の成因になっているといえる。また,インスリンを使用している糖尿病例ではOSA発症リスクが上昇していたことは,糖尿病の罹病歴が長いこと,すなわち糖尿病神経障害,特に自律神経系の障害などの存在がその病因に関与することなどを示唆しているのかもしれない。BMIや腹囲で補正すると,女性でのみ有意な差が消失せず,このような性差の詳細についてはさらなる検討が必要だろう。
いずれにしても,糖尿病とOSAの二方向性の関係をよく理解しておくことは,両疾患の予防や治療を改善するのに極めて重要であろう。【片山茂裕

●目的 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と2型糖尿病の双方向性の関連を検討した。
●デザイン コホート研究3件(NHS,NHSII,HPFS)の統合解析。
●試験期間 登録期間は,NHSは1976年,NHSIIは1989年,HPFSは1986年。追跡期間は10~18年。
●対象患者 NHS,NHSII,HPFS参加者のうち,2012~2013年にOSA質問票に回答した男女166,588例。
●方法 ベースラインにがん(非メラノーマ皮膚がんを除く),心血管疾患(心筋梗塞,脳卒中,冠動脈バイパス術),糖尿病(1型,2型,妊娠)の既往のない146,519例において,OSA状況別の糖尿病発症のハザード比(HR)を算出。
ベースラインにOSA,がん,心血管疾患,1型糖尿病,妊娠糖尿病と診断されていない151,194例において,2型糖尿病状況別のOSA発症のHRを算出した。
●結果 追跡期間中の糖尿病発症は9,029例であった。
潜在的交絡因子を調整後,OSA例の非OSA例に対する糖尿病発症のHRは2.06(95%CI 1.86-2.28)であった。さらに腹囲とBMIを調整後のHRは1.37(95%CI 1.24-1.52)で,過度の日中の眠気を有するOSA例のHRは1.78(95%CI 1.13-2.82)であった。
追跡期間中のOSA発症は9,364例であった。
潜在的交絡因子を調整後,糖尿病例の非糖尿病例に対するOSA発症のHRは1.53であり(95%CI 1.32-1.77),さらにBMIと腹囲を調整後のHRは1.08(95%CI 1.00-1.16)であった。インスリンを使用している糖尿病例ではOSA発症リスクが上昇し(HR 1.43,95%CI 1.11-1.83),特に女性でリスク上昇が著明であった(HR 1.60,95%CI 1.34-1.89)。
●結論 OSAは糖尿病発症リスク上昇と独立して関連し,糖尿病(とくにインスリン治療例)はOSA発症リスク上昇と独立して関連した。