編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Kawamori R, Haneda M, Suzaki K, Cheng G, Shiki K, Miyamoto Y, Solimando F, Lee C, Lee J, George J. Empagliflozin as add-on to linagliptin in a fixed-dose combination in Japanese patients with type 2 diabetes: Glycaemic efficacy and safety profile in a 52-week, randomized, placebo-controlled trial. Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 2200-9. [PubMed]

わが国では,metforminと並んでDPP-4阻害薬が頻用されている。近年,SGLT2阻害薬の臓器保護作用が報告され,欧米のガイドラインでは,SGLT2阻害薬は動脈硬化性疾患および慢性腎臓病を合併する2型糖尿病において,metforminに次ぐ第2選択薬の位置づけとなった。
この様な状況の下でわが国においてもDPP-4阻害薬とSGLT2阻害薬の併用は増えるものと推測される。本研究はlinagliptinとempagliflozinの併用について有用な情報を示した。【景山茂】

●目的 コントロール不良の日本人2型糖尿病患者において,empagliflozin 10mg/linagliptin 5mg固定用量合剤の有効性と安全性をlinagliptin 5mgと比較した。
主要評価項目は,24週後のHbA1c変化。
●デザイン ランダム化,二重盲検,ダブルダミー,多施設(日本,40施設),第III相。
●試験期間 試験期間は52週(2015年5月~2017年3月)。
●対象患者 ≧16週のlinagliptin 5mg投与後のHbA1cが7.5~10.0%の2型糖尿病患者275例。
登録基準:≧20歳,BMI≦40.0kg/m2,≧12週の食事/運動療法の実施,薬物未治療または≧12週の安定用量の経口糖尿病治療薬1剤による治療を受けている者(チアゾリジン薬では≧18週)。
除外基準:空腹時血糖(FPG)>270mg/dL,3ヵ月以内の急性冠症候群・脳卒中・一過性虚血発作,12週以内のインスリン・GLP-1受容体作動薬・肥満治療薬・体重の不安定をきたす他の治療,肝疾患の徴候,推算糸球体濾過量<45mL/分/1.73m2
●方法 linagliptin以外の経口糖尿病治療薬はスクリーニング時に中止。未治療およびlinagliptin以外の経口糖尿病治療薬で治療されていた患者は,16週間のオープンラベルのlinagliptinを投与。linagliptinですでに16週間以上治療されている患者は,オープンラベル期をスキップした。
empagliflozin/linagliptin 10/5mg群(182例),プラセボ/linagliptin 10/5mg群(93例)に2:1にランダム化して1日1回,24週投与。
24週後のHbA1cが≧7.0%の場合,28週時からempagliflozinまたはプラセボを25mgに増量した(empagliflozin/linagliptin群126例,プラセボ/linagliptin群80例)。
●結果 52週の試験を完遂した例は,empagliflozin/linagliptin群172例,プラセボ/linagliptin群84例であった。
empagliflozin/linagliptin群はプラセボ/linagliptin群に比し,24週後のHbA1c低下度(-0.93 vs. 0.21%;調整平均差-1.14%),52週後のHbA1c低下度(-1.16 vs. 0.06%:調整平均差-1.22%)が有意に大きかった(いずれもp<0.001)。
empagliflozin/linagliptin群はプラセボ/linagliptin群に比し,HbA1c<7.0%の患者の割合が有意に多く(24週後:27.5 vs. 5.4%,52週後:43.4 vs. 7.5%),FPG低下度が有意に大きく(調整平均差:24週後-40.18mg/dL,52週後-40.11mg/dL),体重減少度が有意に大きく(調整平均差:24週後-1.68kg,52週後-1.53kg),収縮期血圧の低下度が有意に大きかった(調整平均差:24週後-4.8mmHg,52週後-3.8mmHg)。
empagliflozin/linagliptinの忍容性は良好で,頻度の高い有害事象は排尿回数の増加,血中ケトン体の上昇であった。糖尿病ケトアシドーシスイベント,下肢切断は認められなかった。
●結論 日本人2型糖尿病患者において,empagliflozin/linagliptin固定用量合剤は治療選択肢となることが示唆された。