編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Alfredsson J, Green JB, Stevens SR, Reed SD, Armstrong PW, Angelyn Bethel M, Engel SS, McGuire DK, Van de Werf F, Hramiak I, White HD, Peterson ED, Holman RR; TECOS Study Group. Sex differences in management and outcomes of patients with type 2 diabetes and cardiovascular disease: A report from TECOS. Diabetes Obes Metab. 2018; 20: 2379-88. [PubMed]

非糖尿病患者では,女性での心血管疾患(CVD)のイベントの発症率は男性に比べて低い。一方,糖尿病患者ではそのような関連は見られなくなり,すなわち女性のほうが男性に比べて心筋梗塞やCVDの発症リスクが高くなる。しかしながら,これまでの報告では,女性におけるCVDの絶対リスクが男性より高いのか,同等なのか,低いのかは必ずしも一致していない。
TECOS参加者のうちASCVDを併せ持つ2型糖尿病患者における今回の解析では,男性に比べて女性におけるCVDイベント少なかった。このことは,ASCVDを併せ持つ糖尿病患者においても,女性という性差が心保護に働くことが改めて示されたといえる。同様なCVアウトカム試験でも,このような解析が行われることが待たれる。【片山茂裕

●目的 動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)を有する2型糖尿病患者を対象に,ベースライン特性,心血管(CV)リスク因子の管理,CVアウトカム,非CVアウトカムにおける性差を検討した。
●デザイン 無作為化試験の事後解析,多施設(38ヵ国,673施設)。
●試験期間 登録期間は2008年12月~2012年7月。追跡期間は3.0年(中央値)。
●対象患者 TECOSに登録されたASCVDを有する2型糖尿病患者14,671例(男性10,374例,女性4,297例)。
登録基準:≧50歳,安定用量の経口血糖降下薬1~2剤またはインスリン±metformin治療下のHbA1c 6.5~8.0%。
除外基準:推算糸球体濾過量<30mL/分/1.73m2,12ヵ月以内の重症低血糖エピソード数≧2。
●方法 TECOSでは,対象患者をsitagliptin 100mg/日群,プラセボ群にランダム化。
本解析では,Coxモデルを用いて,性別と複合アウトカム(CV死+非致死的心筋梗塞+非致死的脳卒中+不安定狭心症による入院)の関連を評価した。
●結果 女性は男性に比し,わずかに年齢が高く,脳血管疾患と末梢動脈疾患の有病率が高いが,冠動脈心疾患の有病率は低く,ベースラインのアスピリンまたはスタチン使用が少なかった(すべてp<0.0001)。
複合アウトカムの発生は女性418例(9.7%),男性1,272例(12.3%)で,100人-年あたりの粗発生率は女性3.48,男性4.38であった(粗ハザード比0.79[95%CI 0.71-0.89],調整ハザード比0.64[95%CI 0.55-0.74];いずれもp<0.0001)
女性はまた,二次CVアウトカムと全死亡のリスクが有意に低かった。
●結論 ASCVDを有する2型糖尿病患者において,女性と男性ではCV疾患の負荷が異なった。女性は男性に比し,CVリスク因子プロファイルが不良で,薬剤使用が少なかったが,CVイベントリスクが有意に低かったことから,女性で認められる心保護作用は2型糖尿病患者にも及ぶことが示唆された。