編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
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Lee AK, Rawlings AM, Lee CJ, Gross AL, Huang ES, Sharrett AR, Coresh J, Selvin. Severe hypoglycaemia, mild cognitive impairment, dementia and brain volumes in older adults with type 2 diabetes: the Atherosclerosis Risk in Communities (ARIC) cohort study. Diabetologia. 2018; 61: 1956-65. [PubMed]

横断研究であるが,本検討において重症低血糖と認知症,脳容積の低下が関連することが明らかにされた。
高齢者において重症低血糖を回避することの重要性を示した,貴重な論文である。【綿田裕孝

●目的 2型糖尿病患者において,重症低血糖既往の有無別に認知障害および認知症の有病率と脳体積を横断的に評価し,重症低血糖既往とドメイン特異的認知機能低下の関連を評価し,重症低血糖と認知症発症の縦断的関連を検討した。
●デザイン コホート。
●試験期間 試験期間は2011~2013年。
●対象患者 ARICに参加した糖尿病患者2,001例。
●方法 重症低血糖と認知状況の関連を横断的に評価した。
580例で脳MRIを実施し,重症低血糖と脳体積の関連を横断的に評価。
1,755例で,重症低血糖と過去15年間の認知機能低下の関連を評価。
1,263例において,認知症の発症を縦断的に評価した。
●結果 63例(3.1%)が重症低血糖の既往を有していた。多変量調整後,重症低血糖既往例では,認知症であるリスクが有意に高かった(オッズ比2.34,95%CI 1.04 to 5.27)。
脳MRI施行患者において,12例(2.1%)が重症低血糖の既往を有していた。調整後,重症低血糖既往例は全脳体積の減少と関連した(-0.308SD,95%CI -0.621 to -0.004)。
過去の認知機能低下を評価した患者において,50例(2.8%)が重症低血糖の既往を有していた。多変量調整後,重症低血糖既往と過去15年間の認知機能低下には有意な関連を認めなかった(-0.14SD,95%CI -0.034 to 0.06)。
縦断的解析を行った患者において,196例(15.5%)が重症低血糖エピソードを経験した。調整後,重症低血糖は認知症発症と強力に関連した(ハザード比2.54,95%CI 1.78 to 3.63)。
●結論 重症低血糖と認知アウトカム不良には強力な関連が認められたことから,高リスクの高齢糖尿病患者に対して適切な糖尿病治療を行う必要があることが示唆された。