編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2019年4月現在,1195報収載!
全トライアルリスト
[HOMEに戻る]
Wiviott SD, Raz I, Bonaca MP, Mosenzon O, Kato ET, Cahn A, Silverman MG, Zelniker TA, Kuder JF, Murphy SA, Bhatt DL, Leiter LA, McGuire DK, Wilding JPH, Ruff CT, Gause-Nilsson IAM, Fredriksson M, Johansson PA, Langkilde AM, Sabatine MS; DECLARE–TIMI 58 Investigators. Dapagliflozin and Cardiovascular Outcomes in Type 2 Diabetes. N Engl J Med. 2019; 380: 347-57. [PubMed]

対象患者は,平均年齢64歳,BMI 32であり,インスリンなど種々の糖尿病治療薬,スタチン,降圧薬,利尿薬,抗小板薬が処方されているにもかかわらず,HbA1cは8.3%程度であった。4年の研究期間における心血管イベントなどの発症率は,顕著に高率であった。
いくつかのSGLT2阻害薬により認められている「心不全による入院の減少」は,その利尿効果によることはほぼ間違いなさそうだとすると,十分量の利尿薬投与例との比較研究が望まれよう。【河盛隆造

●目的 動脈硬化性心血管疾患(ACD)を有する,またはACDリスクが高い2型糖尿病患者において,心血管および腎アウトカムに対するdapagliflozinの有効性を検討した。
安全性の主要評価項目は,主要有害心血管イベント(MACE:心血管死+心筋梗塞+虚血性脳卒中)。有効性の主要評価項目は,MACE,心血管死+心不全による入院。有効性の副次評価項目は,腎複合アウトカム(推算糸球体濾過量の低下≧40%かつ<60mL/分/1.73m2+新規発症末期腎疾患+腎/心血管死),全死亡。
●デザイン 無作為,二重盲検,プラセボ対照,多施設(33ヵ国,882施設),第3相。
●試験期間 追跡期間は中央値4.2年,計69,547人-年。
●対象患者 ACDを有する,またはACDリスクの高い2型糖尿病患者(それぞれ6,974例,10,186例,計17,160例)。
登録基準:≧40歳,HbA1c 6.5~<12.0%,クレアチニンクリアランス≧60mL/分,複数のACDリスク因子(従来のリスク因子[高血圧,脂質異常症,喫煙]を有する≧55歳の男性または≧60歳の女性)またはACD(臨床的に重大な虚血性心疾患,虚血性脳血管疾患,末梢動脈疾患)を有する者。
●方法 4~8週のrun-in期間後,dapagliflozin(10mg/日)群(8,582例),プラセボ群(8,578例)に1:1にランダム化した。
●結果 MACEについて,dapagliflozinはプラセボに対して非劣性であった(8.8 vs. 9.4%:ハザード比[HR]0.93,95%CI 0.84-1.03,p=0.17)。
心血管死+心不全による入院はdapagliflozin群で有意に減少したが(4.9 vs. 5.8%:HR 0.83,95%CI 0.73-0.95,p=0.005),これは心不全による入院の減少によるものであり(HR 0.73,95%CI 0.61-0.88),心血管死には有意な群間差を認めなかった(HR 0.98,95%CI 0.82-1.17)。
腎複合アウトカムの発生は,dapagliflozin群4.3%,プラセボ群5.6%(HR 0.76,95%CI 0.67-0.87)であった。全死亡の発生は,dapagliflozin群6.2%,プラセボ群6.6%(HR 0.93,95%CI 0.82-1.04)であった。
dapagliflozin群はプラセボ群に比し,糖尿病性ケトアシドーシスが多く(0.3 vs. 0.1%:HR 2.18,95%CI 1.10-4.30,p=0.02),治療中止をきたした/重篤な有害事象と考えられた生殖器感染症が多かった(0.9 vs 0.1%:HR 8.36,95%CI 4.19-16.68,p<0.001)。
●結論 ACDを有する,またはACDリスクが高い2型糖尿病患者において,dapagliflozinはプラセボに比べてMACEを減少させなかったが,心血管死または心不全による入院を減少させた。