編集:片山茂裕 河盛隆造 景山茂 西尾善彦 西村理明 綿田裕孝
2019年6月現在,1201報収載!
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Overbeek JA, van Herk-Sukel MPP, Vissers PAJ, van der Heijden AAWA, Bronsveld HK, Herings RMC, Schmidt MK, Nijpels G. Type 2 Diabetes, but Not Insulin (Analog) Treatment, Is Associated With More Advanced Stages of Breast Cancer: A National Linkage of Cancer and Pharmacy Registries. Diabetes Care. 2019; 42: 434-42. [PubMed]

米国において,2型糖尿病の大きな死因は心血管イベントである。そのためFDAは,糖尿病治療薬の新薬に対し,心血管イベントに対する安全性を示すことを義務づけている。
日本においてはもっとも頻度の高い死因はがんであり,糖尿病はがんの発症頻度を高めることが知られている。したがって,薬剤の発がんに対する安全性の検討はきわめて重要な課題である。本検討は予想どおりの結果であるが,様々な薬剤について同様のデータを集積していくことが重要である。【綿田裕孝

●目的 浸潤性乳がんの女性において,2型糖尿病と乳がん特性の関連を評価し,インスリン(アナログ)使用の影響を検討した。
●デザイン 後向き,コホート内症例対照研究。
●試験期間 登録期間は2002~2014年。
●対象患者 Netherlands Cancer Registry-PHARMOデータベースネットワークに登録された浸潤性乳がんの女性。2型糖尿病1,567例,非糖尿病6,267例,計7,834例。
●方法 多変量ロジスティック回帰モデルにより,2型糖尿病/インスリン(アナログ)使用と乳がん特性の関連を評価した。
乳がん特性は,TNM分類(腫瘍サイズ,リンパ節の状態,遠隔転移),形態,組織学的腫瘍グレード,エストロゲン受容体,プロゲステロン受容体(PR),ヒト上皮成長因子受容体2,分子サブタイプとした。
●結果 年齢,登録年,社会経済的状況,慢性疾患スコア,グルココルチコイドの使用,エストロゲン-プロゲストゲン避妊薬,ホルモン補充療法を調整後,2型糖尿病を有する女性は有さない女性に比し,大型腫瘍の診断が多く(オッズ比1.22,95%CI 1.08-1.38),進行リンパ節状態との診断が多く(オッズ比1.31,95%CI 1.12-1.53),進行腫瘍ステージの診断が多く(オッズ比1.28,95%CI 1.13-1.44),高グレード腫瘍の診断が多いが(オッズ比1.22,95%CI 1.08-1.39),PR陰性乳がんの診断は少なかった(オッズ比0.77,95%CI 0.67-0.89)。
2型糖尿病を有する女性において,インスリン(アナログ)使用例と非使用例で乳がん特性に有意差は認められなかった。
●結論 2型糖尿病の女性は非糖尿病女性に比し,より進行形の乳がんが診断されるリスクが高いが,インスリン(アナログ)使用の影響は認められなかった。